日本企業、やることが遅いだけに株主は被害が少なくて済むという皮肉

駅

日本って国は何をやるのも総じて遅く、最先端を走るアメリカなどを周回遅れで追いかけるというのが常であります。

しかし、これも場合によっては吉と出ることもある。

アメリカでは株主至上主義に疑問が呈され、その修正の動きが出てきているにもかかわらず、日本は今だ株主至上主義への道をまっしぐらに走っています。

それが、日本株を保有している投資家には大きな味方となりそうなのです。






利益の伸び以上の配当の伸び


上場企業の株主還元が活発です。

2023年3月期、上場企業の4割が前期比と比べて増配となる見込みです。

純利益は2%伸ばしていますが、配当は6%増と利益を上回る株主還元となりそうです。配当性向は約35%にもなり、一昔から考えると隔世の感があります。

日本は2000年以降、急激に株主資本主義が進展したようです。

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(出所:財務省)

やむなく増配、自社株買い


とにかく企業の手元資金は潤沢なのです。

なにしろ、需要が拡大しないため、有望な投資先がない。そこで内部留保を貯め込んできたわけですが、これが株主至上主義に反すると株主や証券取引所が圧力をかけてくる。

そうなれば、会社としては、配当を増やす、あるいは自社株買いをするなど、自己資本を圧縮してROEを上げざるを得ない。

本来であれば、需要が拡大して、新たな投資で供給力をアップし需要を取り込んでいくのが理想的ですが、日本は30年以上、理想からかけ離れた政策を取ってきました。

インフレ=物価の上昇にあらず


インフレ=物価の上昇、デフレ=物価の下落と考える人が多いと思いますが、必ずしもそうではない。

三橋貴明氏によれば、インフレは本来需要の膨張を、デフレは需要の縮小を意味しているといいます。物価はあくまでも結果の話ということになるのでしょう。

そして、日本は今、物価が上昇しつつあるわけですが、これは需要が膨張しているわけではなく、単に輸入物価が上がっていることによるコストプッシュインフレであることが特徴です。

今もって日本はデフレから脱し切れていません。

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最後に


こんな状況でも上場企業の配当は過去最高を更新しそうなのです。

これは日本が今だ株主資本主義真っ盛りであることを意味します。そしてこれは、株主にとっては都合が良い。

今後、世界景気は冷え込み、株価がますます下落する可能性もあるわけですが、日本株は相対的にマシな水準を保てるからです。

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