リーマンショック再び!?金融危機の足音が再び聞こえ始めた。

アメリカのシリコンバレー銀行の破綻が世界に飛び火しています。
まずはヨーロッパ。スイス第二位の金融機関であるクレディ・スイス・グループへの信用不安が一気に広がりました。
かねてから、不祥事や巨額損失事件が相次いで、経営不安がくすぶっていたところにシリコンバレー銀行のショックで、リスクが顕在化しました。
世界は再び金融危機に陥るのではないか?そんな恐怖がくすぶっています。
クレディ・スイス、あっさりと見捨てられる
クレディ・スイスには、スイス国立銀行から最大500億スイスフラン(約7兆円)の資金が供給されることになりました。
しかし、クレディ・スイスからの預金流出が止まらない。1日あたりで約7000億円の預金が流出しているというのです。
スイス政府はクレディ・スイスの自力再建をあっさりとあきらめました。
そして、スイス最大の金融機関であるUBSがクレディ・スイス・グループを買収することで合意したのです。
買収額はたったの4200億円。クレディ・スイスは世界でも40位前後の巨大金融機関なのです。いかに価値が毀損しているかがわかろうかというものです。
債券は株式よりも安全なはずが・・・
クレディ・スイスで問題となっているのは「AT1債」なる債券です。
AT1債は通常の債券よりも利回りが高くなっています。なぜかといえば、AT1債で調達した資金は銀行の自己資本として認められる一方、銀行の財務が悪化した際には、債券の保有者がその損失を引き受けることになっているからです。
いわば株式に近い債券だといえるわけですが、今回のケース、株式を持っている人はUBSの株がいくらか手に入るわけですから、株式の価値がゼロになるわけではありません。
しかし、AT1債の場合はゼロになってしまうのです。
本来、株式よりも安全だと思われている債券が実は株式よりも危険だったということになってしまいました。
AT1債は世界中に散らばる
このAT1債ですが、世界では約100の金融機関が発行し、残高は約30兆円にのぼると見られています。
ちなみにクレディ・スイスが発行しているAT1債は約2.2兆円です。
この2.2兆円を誰が保有しているかといえば世界中の投資信託運用会社などとなっています。
日本の運用会社も例外ではなく、野村アセットマネジメントや三菱UFJ国際投信、アセットマネジメントOneなどがその保有状況を公表しています。
外国債券で運用するファンドをお持ちの方は、ファンドの臨時レポートなどが出ていないか確認しておいたほうがよいでしょう。
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日本も蚊帳の外にあらず
日本の銀行の体力も落ちており、対岸の火事ではありません。
日本の上場地銀の約6割が2022年4月~12月期で減益となっており、なかには赤字へ転落している銀行もあります。
金利が上昇し、利ザヤは大きくなっていますが、それ以上に保有する債券の値下がりがきつい。
異次元金融緩和により本業で稼げない中、銀行は有価証券の含み益を吐き出すことで利益を確保してきたといえます。
しかし、その含み益は徐々に減少し、今やほとんどないと言ってよい状態です。
これからは本業や手数料ビジネスで稼いでいくほかありません。顧客本位などと叫んでみても、言行不一致となっているのはこの辺りに原因があるのではないでしょうか。
最後に
サブプライム問題発生時の金額は約100兆円ほどでした。今回は30兆円規模なので、サブプライム問題やリーマンショックほどにはならないと思いますが、世の中何があるかわかりません。
株式市場は波乱含みで、恐怖指数は再び上昇してきました。

リーマンショック再び、とならないことを祈りますが、投資家として生き残りたければ、最悪の事態に備えておく必要があると思います。
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