ご都合主義で内燃エンジン車、引き続き生き残る可能性大

ヨーロッパでは、2022年秋、内燃エンジン車の販売を2035年までに禁止することで合意がなされていたはずでした。
ところがどっこい、これに反対したのがドイツ。反対の理由はだいたい想像がつくでしょう。
ドイツは日本と並ぶ自動車産業立国であり、自国産業を守るために反対したであろうことは容易に推測できます。
世界はご都合主義で、ルールなどコロコロ変わる。まともに対応していたら、急に梯子を外されて取り残される可能性が高いことを改めて認識させられる話です。
自動車メーカー世界ランク
以下は2021年の連結ベースでの自動車メーカーの販売ランキングです。
1位 フォルクスワーゲン(ドイツ)
2位 トヨタ(日本)
3位 ゼネラルモーターズ(アメリカ)
4位 ステランティス(フランスほか)
5位 フォード(アメリカ)
6位 ヒュンダイ(韓国)
7位 スズキ(日本)
8位 ルノー(フランス)
9位 BMW(ドイツ)
10位 ホンダ(日本)
11位 メルセデス(ドイツ)
12位 日産(日本)
2位 トヨタ(日本)
3位 ゼネラルモーターズ(アメリカ)
4位 ステランティス(フランスほか)
5位 フォード(アメリカ)
6位 ヒュンダイ(韓国)
7位 スズキ(日本)
8位 ルノー(フランス)
9位 BMW(ドイツ)
10位 ホンダ(日本)
11位 メルセデス(ドイツ)
12位 日産(日本)
トップは毎年フォルクスワーゲンとトヨタが競っているのはご存じのとおりです。
世界12位までに日本が4社、ドイツが3社で2国だけで過半を占めています。
ドイツ、EVに突如反対
ドイツも日本同様、自動車のすべてがEV化されたら、路頭に迷う人が続出するのでしょう。
しかし、SDGsなどといったきれい事の前では表立って、自動車のEV化に反対を叫ぶことはしにくかっただろうと思います。
そこへ起きたのがウクライナ戦争。
電気料金は跳ね上がり、反対の声を上げやすくなったものと考えられます。
合成燃料≒ガソリン
とはいえ、無条件にガソリン自動車オールOKへ戻すわけにもいかない。これまで何だったのかという話になるからです。
そこでにわかに登場したのが合成燃料なるもの。
合成燃料は二酸化炭素と水素から作られます。ガソリンと成分は同じであるからして、内燃エンジンをそのまま継続して使うことができるというわけなのです。
信頼できない未来
ネックとなるのは、製造コストです。
ガソリンに比べて数倍のコストがかかるため、現段階では採算ベースに乗らず、現実的とはいえません。
しかし、内燃エンジンはすべて禁止という路線が変更になったという事実は重い。
要するに世の中の情勢で、対応はコロコロ変わる可能性があるということが明らかになりました。
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トヨタとホンダ
トヨタが取る全方位戦略は、どう転んでも致命傷を負わないという意味で、かなり賢い戦略だといえるのではないかと思います。
それに比べるとEV化を加速しているホンダには、大きなリスクがあると思わざるを得ません。
一度、内燃エンジンから手を引いてしまうと、元に戻すのは難しいでしょう。
株価はどう反応しているのでしょうか。
ここ5年の動きを見るとトヨタ(青)がホンダ(ピンク)を大きく上回るパフォーマンスをみせています。

しかし、直近2か月を見るとホンダがかなりトヨタを上回ります。

この動きがEVの動向と関係があるのかないのか定かではなく、評価が難しい。個人的にはホンダの短期的な業績回復に株価が反応しただけであろうと推測します。
最後に
とにかく未来を見通すのは難しいし、すべての自動車が電動化されるなどというのも、単なる流行にすぎないとも考えられる。
日本もドイツ同様、自動車立国であり、方向を間違えると日本沈没になりかねない。あらゆる可能性と選択肢を残していかなければいかないと感じるのであります。
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