株価が行ったり来たりしているのは金融不安の時限爆弾があるから

ちょっと上がって強気になったかと思えば、冷や水を浴びせるかのように下落する。
株価はナックルボールのようにゆらゆら揺れ動き、方向感がまるで出ない。これは世界的に金融不安のリスクがくすぶっているからだと思われます。
今、世界の金融市場で何が起きているのでしょうか。
新型コロナとマネーの動き
新型コロナが勃発してから、世界の経済は麻痺し、恐慌にならないように世界各国は金融の大規模な緩和に動きました。
具体的にはマネーストック(※)の動きを見ればよくわかります。
しかし、コロナが終息するにつけ、インフレ退治のために金融が引き締められて、マネ―ストックは減少に転じました。
以下はアメリカのマネーストックの動きです。

※マネーストック
金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量をいう。具体的には、一般法人、個人、地方公共団体などが保有する通貨(現金通貨や預金通貨など)の残高を表す。
金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量をいう。具体的には、一般法人、個人、地方公共団体などが保有する通貨(現金通貨や預金通貨など)の残高を表す。
マネーストックと株価
マネーストックの動きと株価(NYダウ)の動きは実に似ていることがわかります。

マネーストック減少の主因は銀行からの預金流出です。
預金者は金融機関にお金を預けることに恐怖を感じているようです。急激な利上げに耐えられなくなった銀行が破綻したり、ヨーロッパでは救済合併される金融機関も出ています。
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金融危機は続くよ、どこまでも
現状、金融不安の波は過ぎ去ったかのように見えます。
しかし、専門家はそうは見ていないようです。
米大手金融機関のCEOは株主に送った手紙の中で、金融危機はまだ過ぎ去っておらず、今後何年にもわたって続くと書いています。
リーマンショックのような派手な金融危機にはなりそうもないですが、小さな危機が波のように繰り返し訪れると考えておいたほうがよさそうです。
最後に
世界的に金融機関は守りに入っており、貸し渋りが起きています。
貸し渋りが起きれば、マネーストックは増えず、株価は上がらないでしょう。また、破綻する企業も増えるという悪循環が連鎖的に発生するリスクがあります。
今回のボックス相場はまだまだ当面続きそうな気配です。投資家にとっては恐怖と忍耐の日々が続くことになりそうです。
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