世界恐慌の足音が・・・。問題は少しずつ表面化しつつある

世界的なインフレと景気後退懸念にもかかわらず、案外と株価は堅調を維持しています。
しかしながら、変化の芽は徐々に表れているようです。
そして、世界はやがて恐慌にまで発展する可能性すらあるという指摘があります。今、世界経済そして金融の世界でいったい何が起きているのでしょうか、そしてどこへ向かうのでしょうか。
興味深い予言
恐ろしい予測を披歴してくれたのは、経済産業研究所コンサルティングフェローの藤 和彦さんです。
非常に優秀な方であり、その発言は深い洞察に満ちており、傾聴に値するのであります。
さて、藤さんはどんな予測をしているのでしょうか。なるべくわかりやすくまとめてみました。
世界恐慌の足音
藤さんの分析では、今後、世界は大恐慌に陥る可能性があるといいます。
リーマンショックで世界は金融緩和をし、さらにコロナ対策でさらなる金融緩和をしたわけです。
たしかにアメリカの政策金利(FF金利)の推移をざっくりとグラフにしてみると、リーマンショック後に長い間低金利を続けてきたことがわかります。これは世界的な傾向です。

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2023年、問題は顕在化し始めた
ところが、コロナ禍で急激にインフレが進むと金融政策は一気に方向転換し、上昇に転じました。
この金利の上昇、2022年は惰性でなんとかしのいだものの、2023年に入って米銀行の破綻など、局地的にその影響が表面化してまいりました。
しかし、藤さんによれば、これはまだ序章にすぎないといいます。
現在、銀行の融資で問題となっているのは商業用不動産向けなのですが、これはサブプライム並の損失になるといいます。
商業用不動産から住宅へ、さらに・・・
話は商業不動産にとどまりません。その次は住宅不動産に波及するといいます。そして最後に企業債務の問題へと発展していくという予測です。
リーマンショック後、世界恐慌が起きなかったのはFRBのバーナンキ元議長の金融政策の手腕によるところが大きいのですが、その反作用としてバブルはさらに大きくなってしまいました。
藤さんが世界恐慌に発展すると考える理由は2つです。
1つめは世界経済はインフレに苦しんでいるため、金融緩和による対策が打てないことです。
インフレ下での恐慌では金融政策では手の施しようがないということなのでしょう。
潰せる銀行、潰せない銀行
2つめの理由として、現在問題となっている金融機関は大手ではなく、地方銀行やノンバンクであることだといいます。
リーマンショックで大手銀行には規制の網がかかったわけですが、規制がかからなかった地方銀行やノンバンクがその分を肩代わりする形でリスクを負うこととなり、これが焦げ付くこととなるという見立てです。
大手銀行は、つぶれてしまうと国の決済機能が麻痺するため、つぶすにつぶせないが、地方銀行やノンバンクを政府は救わない可能性が高い。
そして日本はバブル崩壊後、30年にわたり資産デフレが続いてきたわけですが、残念ながらこれが継続することになるという恐ろしい予測なのです。
予測が当たらないことを祈ります。
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