名目GDPと実質GDPの違いがわかりやすい。そして現状はどうなっている?

GDPには2種類あります。
名目GDPと実質GDPです。物価を加味して調整したのが実質GDPだということなんとなくわかりますが、どちらが重要なのか、その明確な違いは何なのか?と問われると「うっ」と戸惑ってしまいます。
ある本を読んでいたら、非常にわかりやすくその違いが書かれていました。
経済学ってのは本当にややっこしい。そして、何が正しいかよくわからない面もあります。なるべくシンプルに考えるのが重要なのではないでしょうか。
名目GDPか、実質GDPか
GDPはある国が生産した金額と量を表しています。
具体的には、生産した金額を表しているのが「名目GDP」、生産した量を表しているのが「実質GDP」となります。
経済成長率といえば、通常は、実質GDPの伸び率をいいます。名目GDPは、物価が上昇すれば、それだけであたかも国が成長したかのように見えてしまうからです。
単に物価が上がっただけで国民はちっとも豊かになっていないといえます。
実質GDPの伸びこそが重要
そう考えれば、国にとって重要なのは実質GDPの伸びということになります。
では世界、そして日本の実質GDPの伸びはどうなっているのでしょうか。
以下は日本の1980年からの実質GDPの伸びを示しています(円ベース)。

(出所:世界経済のネタ帳)
1990年代以降の停滞が目立ちますが、それなりに成長はしています。しかし、物事は相対的に考えねばなりません。
世界各国はどんな感じなのでしょうか。
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世界主要国の実質GDP推移
世界主要国の実質GDP(自国通貨建)の推移を見てみましょう。
●アメリカ

●中国

●ドイツ

●イギリス

●フランス

●韓国

●インド

(出所:世界経済のネタ帳)
アジア諸国に押されまくり
どの国も日本に比べたら右肩上がりに成長していることがわかります。
とりわけ、中国、インド、韓国の伸びが著しい。同じアジアなのに日本はいったい何をしているのでしょうか。
日本は製造立国の立場を失い、中国、韓国、台湾に取って代わられたといえるでしょう。
プラザ合意が行われた1985年、日本はアメリカに次ぐ世界2位の輸出大国でした。しかし、2021年には世界5位にまで転落しています。
●1985年

●2021年

(出所:世界経済のネタ帳)
この国の凋落はとどまるところを知りません。にもかかわらず、岸田政権の支持率が50%を超えたというのですから、この国に未来はないと悲観にくれるのであります。
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