流行に流されやすい国民性が投資のコストを押し上げるという皮肉

日本人は同調圧力に弱く、時の流行に流されやすいと言われます。
村社会である日本では、他者と同じ行動を取らないと村八分になることから、他人に合わせる行動をとりやすいといえます。
会社などで今だマスク姿が多いのも、かなりの割合で同調圧力によるものと推測します。
また、それゆえに流行に乗り遅れる恐怖から、流行に敏感であり、影響を受けやすいともいえるようです。
この傾向は投資の世界にも色濃く反映されていると考えられます。そして、その行動はときに合理性を大きく欠くこととなるのですから注意が必要なのです。
バックミラーで未来は見えない
投資をするにあたり、将来の収益を予測することは難しい。
バックミラーで未来は見えないといわれるとおり、過去の収益を見たところで、それが将来を暗示するものかといえばそうでもありません。
投資にあたり、自らコントロールできることといえば、投資に対するコストを下げることくらいです。
同じリターンだったとしても、コストが違えば収益は大きく違ってきます。とりわけ、長期の複利運用だとその影響は多大なものとなります。
流行に流されやすいという弱点
日本人は流行に流されやすいといいました。
投資の世界であれば、ときのトレンドキーワードに弱いといえます。例えば、AIとかESGとかEVとか・・・。
こういった流行テーマに乗って、テーマ型のアクティブ投信が雨後の竹の子のように湧き出てくるわけですが、総じてそのコストは高いといえます。
また、最近流行しているのがロボアド投資です。
AIがその人の志向にあった投資先と投資比率を導き出して、相場の動きを追ってリバランスしていく、そんなサービスです。
忙しくて投資に割ける時間がない、でも投資はしておきたいといった人にはピッタリのサービスといったところでしょうか。
しかし、そのコストが問題となります。
低金利における手数料率の重要性
ロボアド投資サービスはいろいろな会社が提供しており、手数料体系も会社ごとに若干異なりますが、ざっくりと概ね1%前後となっています。
年率1%の手数料で、世界の資産に分散投資をし、リバランスしてくれる。これを高いとみるか、安いと見るかが問題となります。
多少金利が上がったとはいえ、低金利が続く日本において、年率1%はいかにも高いというのが個人的感想です。
なぜそう思うのかといえば、同じような目的を達成してくれる従来型の投資信託が、世の中に出回っているからです。
そしてそのコストは、ロボアド投資に比べて断然安く済むものが多くなっています。
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超絶のコストパフォーマンス
例えば、某大手投資運用会社のバランス型ファンド。
国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内リート、先進国リートへ投資し、その割合はそれぞれ12.5%とするファンドがあります。
ある資産クラスの価格が上昇あるいは下降して、バランスが崩れた場合は、リバランスをして12.5%に戻してくれます。
ロボアド投資と考え方はほとんど同じといえます。
そして、重要なのはそのコストです。
このバランス型ファンドのコストは年率0.154%(税込)!ロボアドとは1%近く差があり、このコストの差は、長期的なパフォーマンスに大きな影響を与えるに違いないと思います。
複利というボディーブロー
年率1.1%(税込)と年率0.154%(税込)で、手数料を取られる前に年率平均で3%のリターンがあったと仮定し、20年運用した場合、どれほどの差が出てくるか考えてみましょう。
ここではわかりやすく1000万円を一括投資したと仮定します。

実にこれだけ差がついてしまうのだから恐ろしい。
複利効果が働き、時間が経てば経つほど差が幾何級数的に開いていくことがグラフからもよくわかります。
最後に
無論、手数料を引く前のパフォーマンスなど、どちらが優れていたかは未来になってみないとわかりません。
しかし、いずれにせよ個別株に投資するようなものではないため、パフォーマンスに大きな違いが生まれるとは思えません。
そうなると重要なのはいかにコストを下げるか、ということになるはずです。
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