億ション、地方都市にまで広がる。田舎に億ションという違和感

田舎をバカにしているわけではございません。
しかし、土地の価格が大都市圏に比べて安く、通勤地獄を味わうとも思えない地方都市に億ションが乱立しているというのですから首を傾げたくなるのは私めだけではないでしょう。
一般的に見て、集合住宅よりも一軒家への憧れが強いと思うのですが、大都市では戸建を保有することは難しいので、マンションで我慢してきたというのが過去の歴史だと思うのです。
一昔とは打って変わって、現代人はマンションに何か特別の憧れでも持っているというのでしょうか。
持家など夢のまた夢
日本人は世界的に見て戸建志向が強い。一家の主は一軒家を持っていたいという強迫観念に近い心理状態から来ているものと推測します。
しかし、その傾向も近年の日本の経済悪化では低下基調にあるようです。1980年代から若い世代ほど持家世帯比率が下がっていることがわかります。

(出所:国土交通省)
就職氷河期を経験した世代など、家を持つことなど夢のまた夢という人も多かろうと思います。
田舎に億ションという不可解
そんな中、地方都市で不可解?な現象が起きています。
田舎には似つかわしくない(失礼)、「億ション」が乱立しているというのですから。人口50万人に満たない地方都市にまで億ションが立っているのです(驚)。
そして売れ行きも好調だというのですからさらに驚きです。
地方都市なら1億円出せば、豪邸が立つと思うのですが、なぜあえてマンションなのでしょうか。
四国、高松市でも億ションラッシュ
例えば四国、香川県の高松市です。
高松市は香川県の県庁所在地ではありますが、その人口は約41万人とけっして大都市とはいえません。
その高松市が億ションラッシュに沸いているといいます。
再開発が進む高松駅の近辺など市の中心部がその主役です。地元の富裕層が資産活用として、あるいは住み替えのために購入するケースが多くなっている模様です。
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交通の不便がマンション需要を呼ぶ
やはり考えられる原因は高齢化です。
地方都市では鉄道が発達していないケースが多く、郊外だと自動車を持っていないと日々の買い物すらままならないのが実態です。
以下は都道府県別の世帯当たりの自動車保有台数です。

(出所:社会実情データ図録)
大都会ほど台数は顕著に低いことがわかります。
また地方ほど軽自動車の比率が高いこともわかります。地方では軽自動車が貴重な足となっているといえます。
一方で、高齢になれば自動車の運転に腰が引けてくるのは当然です。目も悪くなるし、瞬発力や判断能力も衰えますから。
事実、免許の返納は増加傾向にあります。

(出所:国土交通省)
その一方で現居住地に対する不安のトップは公共交通の便です。自動車が運転できなくなり、鉄道やバスがないとなれば、不安になるのは当然だといえるでしょう。

(出所:国土交通省)
その点、市街地であれば徒歩でも買い物に行けるという安心感があります。
逆張りの発想か
そう考えると地方都市ほど今後、マンション需要が見込めると考えられます。
大都市圏はもともと公共交通網が発達しているとはいえ、よほどの富裕層でなければ戸建になど住めませんから・・・。今後の成長は限定的だといえるのではないでしょうか。
一見、不可思議に思える地方都市の億ションですが、高齢化と交通の利便性を考えると妙に納得してしまうのでした。
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