楽天G、3300億円の巨額公募増資も瞬間蒸発しそうな気配が濃厚

砂漠

楽天グループとサイバーエージェント両方の株主としては複雑な心境なのです。

それは楽天が発表した公募増資最大3300億円のうち、100億円をサイバーエージェントが引き受けるというのですから。公募増資が功を奏さなければ、株価は両社共倒れとなる可能性もあります。

それにしてもなぜサイバーエージェントは楽天の増資を引き受けることになったのでしょうか。そこには過去の因縁が隠されているようなのです。






アマゾン1社で楽天160個分!


日本を代表するIT企業、楽天グループ(4755)も落ちぶれたもんです。

時価総額はたったの9649億円(2023年5月18日現在)・・・。

比べるのもおこがましいとはいえ、世界のAmazonの時価総額は約160兆円であり、楽天G160個分という巨大さです。

いまや楽天は資金繰りに苦しむ自転車操業状態であり、どこから資金を引っ張ってこられるかばかり考えているようにしか見えません。

そんな中、楽天グループは最大3300億円におよぶ巨額公募増資を決めたのでした。

綱渡りの資金繰り


しかし、巨額なのは増資ばかりではありません。設備投資も同様です。

3300億円は楽天モバイルのインフラ投資1年分にあたる金額であり、冷静に考えると公募増資で調達した資金はわずか1年で瞬間蒸発してしまうように思えるのです。

必要な資金は設備投資資金だけではございません。2024年には社債の償還が3000億円、2025年には4000億円も予定されています。

信用リスクが大きくなれば借り換えもできなくなる可能性があり、資金繰りに行き詰まるという事態も想定されます。

今後の楽天Gの明暗は、6月1日からの楽天モバイル「最強プラン」の成否にかかっているといっても過言ではないでしょう。

もはや一か八か、伸るか反るかの世界に入りつつあります。

楽天グループ(4755)
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サイバー、究極の逆張り戦略!?


ところで3300億円の増資のうち、100億円をサイバーエージェントが引き受ける予定だといいます。

ちなみにサイバーエージェントの時価総額は5743億円(2023年5月18日現在)であり、楽天Gの約半分といったところです。

サイバーエージェントも楽天ほどではないにせよ、ABEMAテレビへの巨額投資負担に苦しんでいるのは周知の事実です。

なのに100億円もの資金を楽天Gにぶち込むのはなぜでしょうか。瞬間蒸発する可能性大なのに、サイバーエージェントは純投資だというのですが・・・。

サイバーエージェント(4751)
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ハイエナに狙われたサイバーエージェント


楽天の三木谷氏とサイバーの藤田氏には過去に因縁があったようです。

サイバーエージェントが株式を上場したのは2000年3月。ITバブルが崩壊する直前であり、巨額の資金調達ができたものの、その後株価は低迷しておりました。

それに目を付けたのはハイエナの村上ファンド。

サイバーエージェントの株式を取得し、会社を清算して資金を株主に返すよう求めたというのです。

まさにハイエナ。せっかくの成長ベンチャーを金のために潰してしまえってわけですから、金のためにはなんでもする愚か者としか思えません。

サイバーの恩返し


若き藤田社長は悩みに悩み、それを解決してくれたのはどうやら楽天の三木谷氏だったようなのです。

その際、楽天はサイバーエージェントに12億円ほど出資したのでした。今回の公募増資受入れは、その恩に報いようという藤田氏の意向が働いているのではないか。

そんな風に勘ぐってしまうのです。

第三者から見れば美談でしょう。しかし、株主にとっては複雑な心境です。楽天Gはもはや金食い虫と化しており、100億円など一瞬で蒸発し、株価の先行きも見通せない。

物言わぬ零細投資家としては、「最強プラン」の成功を祈るほかないのであります。

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