かつてうさぎ小屋。そして再びうさぎ小屋マンションが増加中

マンション2

日本の貧困化は住宅市場にも表れています。

なんと新築マンションの面積がどんどん狭くなっているというのです。

2021年の新築マンションの平均面積は64.7平方Mしかありません。これは10年前に比べて10%も狭くなっているのです。

かつて、うさぎ小屋と揶揄された日本の住宅ですが、時代とともに広くなっていきました。しかし、再びうさぎ小屋へと戻りつつあるというのですから、なんともせつない話なのです。

いったい全体、なんでこんなことになってしまったのでしょうか。






緊縮財政の副作用で家までが狭く


以下は昭和43年(1968年)からの日本の住宅の面積推移です。

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(データ出所:国土交通省)

平成の頭(1990年代前半)で頭打ちとなり、横ばい状態に入ったことがわかります。

これは日本経済が1990年前半にバブル崩壊をし、その後、長期にわたるデフレに陥ったことと無関係であるはずがありません。

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(出所:世界経済のネタ帳)

これら2つのグラフから、バブルが崩壊して民間需要が異常に減少したにもかかわらず、政府までもが財政支出を減らすという愚行を犯したことがわかるのではないでしょうか。

日本の住宅は思ったより広かった


ところで日本の住宅はかつてうさぎ小屋と言われたわけですが、高度成長期を経て、うさぎ小屋からは脱却したといえます。

イメージと違い、世界各国と比べても、日本の住宅は必ずしも狭いとはいえません。

20230523menseki2.jpg
(出所:総務省統計局)

ただし、賃貸住宅の狭さは相変わらずであり、持家と賃貸の面積の差が大きいことは事実です。

日本海側は広い家が多い


日本の中での地域間格差はどうでしょうか。以下は都道府県別の住宅の面積です。

20230523todouhuken.jpg
(出所:総務省統計局)

首都圏はやはり狭い。これは致し方ないでしょう。

目立つのは日本海側に広い家が多いことです。これはいったいなぜでしょうか。

調べてみると日本海側はそもそも持ち家比率が高いことがわかります。持ち家が多いために結果的に広くなっていると見てよさそうです。

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(出所:総務省統計局)

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土地価格、あまりの格差


なぜ日本海側で持ち家比率が高いかといえば、土地の値段が圧倒的に安いことが原因だろうと思われます。

以下は東京を100としたときの各都道府県の住宅地の指数です。

20230523todouhuken3.jpg
(出所:国土交通省)

例えば秋田県。東京が100に対してわずか3.5です。土地が安いだけに上物にお金をかけることができ、面積も広くなるといったところでしょう。

マンションでもステルス値上げが・・・


話は戻りますが、最近、日本の住宅が狭くなっています。

新築マンションがなぜ狭くなっているかといえば、建設資材と人件費の高騰で建設コストが上がっているからです。

今までと同じ面積で作っていたら値が大きく上がってしまう。しかたがないので、面積を狭くして価格を同程度に保とうという動きが広がっているのです。

どこかで聞いたことのあるような話・・・。ステルス値上げはマンションにまで及んでいるのでした。

また、エントランスなどの資材の品質を落としてコストダウンを図っているマンションもあるようで、なんとも購買意欲を無くさせるようなお話です。

マンションを買うなら中古マンションにするか、しばらく待ったほうがよいのではないかというのが個人的な見解です。

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