日経平均がバブル期を超える?そんなバカな!まだまだ時間はかかる

日本株が高い。
なんと市場の一部には、バブル時の市場最高値である日経平均38,915円を超えるのではないか、という強気な見方さえ出始めています。
買いの主役は海外の投資家です。
海外投資家による2023年4月以降の買いピッチは、アベノミクス当初(2013年)を上回るというのですから恐れ入る。
国内証券には海外投資家からの問い合わせが相次いでいるといい、こんなことは10年ぶりだといいます。
この流れは今後も継続するのでしょうか。
バフェット、日本株上昇の呼び水に
日本株買いのきっかけを作ったのは、ウォーレン・バフェット氏。既に保有していた日本の5大商社の株を2023年4月にさらに買い増したことを明らかにしたことです。
さらに日本株で投資先を見つけていくという姿勢を示しており、バフェットに続けとばかりに海外投資家がこぞって日本株の買いに走っています。
これには日本株を取り巻く環境が好転していることが背景にあります。
円安という追い風
まずその要因として挙げられるのは円安でしょう。
過去にさかのぼっても、円高に振れているときは株価は冴えず、円安のときは株価が上昇していることがわかります。
アベノミクスが典型的です。

一般的に円安になれば、総体的に日本の上場企業の業績は好転します。また、海外の投資家からすれば、同じ1ドルでも多くの円が買えるので、割安に日本株を仕込むことができる。
こんな理由から円安は日本株にとって追い風だといえるでしょう。
周回遅れの株主資本主義
次に考えられるのは、日本株の需給がタイトになっていることです。
もの言う投資家が増えたこと、また東証や金融庁からの強い要請により、上場企業は高い資本効率が求められています。
その対策として典型的なのが自社株買いです。
アメリカが高い株価を維持してきたのは、高水準の自社株買いと高い配当によるところが大きいですが、日本もアメリカの約10年遅れで、アメリカ型の株主資本主義が浸透してきました。

(出所:金融庁)
2022年度の自社株買い取得枠は、約9兆4000億円と16年ぶりの高水準となりました。これも日本の株価を上げている要因の一つです。
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海外投資家は変わり身が早い
では落とし穴はないのか?気になる点がいくつかあります。
まず、年後半から来年にかけての世界経済のリセッション入りリスクです。海外投資家に支えられている日本株は世界経済が落ち込めば、当然落ち込むことになるでしょう。
また、海外投資家は基本的に逆張りではなく、トレンドフォローの順張りを好みます。
株価が上がっているときはさらに上がると考え、下げに転じればさらに下がるという考え方です。上昇しているうちは強気ですが、流れが変われば一気に売り手に回るという変わり身の早さです。
ここ最近の日経平均を見る限り、3万円を割り込めば売りに転じるものと推測します。

日経平均はバブルを超えるか?
ところで、日本株は近い将来、バブル時の高値を超えることができるのでしょうか。
株価は短期的にはテクニカル要因で動くとは思いますが、長い目で見ればファンダメンタル要因に収束していくものと思われます。
バブル絶頂の1990年あたりの名目GDPは462兆円でした。そして2022年の名目GDPは556兆円。

(出所:世界経済のネタ帳)
30年以上経っても100兆円も増えていないという体たらくです。
この状況で、3万8915円を超えれば、それは再びバブルが発生したと見ることもできます。
株主資本主義がさらに進めばありえない話ではありませんが、その可能性は低いというのが個人的見解です。
なにしろ日本人は貧乏になりすぎた。そして岸田政権はその流れを正そうと姿勢が見えません。行き過ぎた楽観は危険を伴うと考えます。
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