これで少子化が止まるはずがない。財政制度等審議会という名の役立たず

電卓

財政制度等審議会という名の御用機関があります。建前上、財務大臣の諮問機関ということになっており、国の財政について審議を行うものとされています。

「諮問」の意味を国語辞典で調べれば、一定の機関や有識者に対し,ある問題について意見を尋ね求めることとされています。

しかし、財政制度等審議会が諮問機関としての機能を果たしているかは実に疑わしい。まったく果たしていないというのが個人的見解です。

それはそのメンバーを見ればおおよそ想像がつくのであります。






財務省のお抱え仲良しクラブ


以下は、2023年4月14日現在の財政制度等審議会の委員名簿です(財務省ホームページより)。

<委 員>◎は審議会長、〇は審議会長代理
秋池 玲子 ボストン・コンサルティング・グループ日本共同代表
安藤 光義 東京大学大学院農学生命科学研究科教授
五十嵐 隆 国立成育医療研究センター理事長
大槻 奈那 名古屋商科大学大学院教授・ピクテ・ジャパン(株)シニアフェロー
〇翁  百合 (株)日本総合研究所理事長
奥田 かつ枝 (株)九段緒方総合鑑定代表取締役
亀坂 安紀子 青山学院大学経営学部教授
加藤 康之 京都先端科学大学教授・東京都立大学大学院特任教授・京都大学客員教授
川口 有一郎 早稲田大学大学院経営管理研究科教授
河村 小百合 (株)日本総合研究所調査部主席研究員
熊谷 亮丸 (株)大和総研副理事長
小林 慶一郎 慶應義塾大学経済学部教授
櫻田 謙悟 SOMPOホールディングス(株)グループCEO取締役代表執行役会長
佐藤 主光 一橋大学経済学研究科教授
関  ふ佐子 横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授
武田 洋子 (株)三菱総合研究所研究理事シンクタンク部門副部門長 兼シンクタンク部門統括室長兼政策・経済センター長
筒井 義信 日本生命保険相互会社代表取締役会長
土居 丈朗 慶應義塾大学経済学部教授
◎十倉 雅和 住友化学(株)代表取締役会長
南場 智子 (株)ディー・エヌ・エー代表取締役会長
野村 浩子 東京家政学院大学特別招聘教授
藤谷 武史 東京大学社会科学研究所教授
増田 寛也 日本郵政(株)取締役兼代表執行役社長
丸田 健太郎 有限責任あずさ監査法人常務執行理事
宮島 香澄 日本テレビ放送網(株)報道局解説委員
安永 竜夫 三井物産(株)代表取締役会長
家森 信善 神戸大学経済経営研究所教授
芳野 友子 日本労働組合総連合会会長
若林 茂雄 弁護士
渡辺 努 東京大学大学院経済学研究科教授

すべての人を存じ上げているわけではありませんが、緊縮財政を是とする学者が多いことに気が付きます。いわゆる御用学者であり、財務省の意向に沿った発言をしている人が選ばれていることは容易に推測できます。

この中に積極財政派の人がいるのでしょうか?いたらぜひ教えてほしいものです。

要するに最初から結論ありきの審議会であり、財務省のロボットが勢ぞろいしていると考えればよいのではないでしょうか。

財務省が泣いて喜ぶ財政制度等審議会の意見書


財務省お抱えの財政制度等審議会が2023年5月29日、少子化対策の財源確保に関する意見書をまとめました。

それによると、75歳以上の後期高齢者の医療費について、窓口負担を原則2割に引き上げるよう検討すべきだというのです。

財政負担をこれから生まれる子どもたちの世代に先送りすることは本末転倒といったバカの一つ覚えともいえる主張が繰り返されているのです。

ワイドショーしか見ていないような輩にはそんな論法も通用するのでしょう。

しかし、ちょっと勉強している人なら、豊かな社会を維持しなければ生まれてくる子どもが不幸になるだけだということがわかります。そのためには積極財政が必要なことも。

まともな職もない社会に生まれたら、貧困層の再生産が繰り返されるだけなのです。

焼石に水の少子化対策


政府は少子化対策として児童手当の拡充などで年(たったの)3兆円ほどの予算が必要だとしています。

コロナ禍において、1人10万円の特別定額給付金が配布されました。この予算は約15兆円の国債で賄われました。

児童手当拡充の5年分です。これで少しは生まれる子どもが増えたのでしょうか。

10万円が配られたのは2020年。その後の出生数はどうなっているのでしょう。

2020年の出生数は84万人、そして2021年は81万人、2022年は79万人と加速的に減少しています。そう考えると年間3兆円程度で出生数が上向くわけがないと思うのです。

そもそも児童手当は既に生まれた子どもに対する支援であり、これから子どもを持ちたいという人の支援になっていないのですから、的すらも外しているとしか思えません。

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薄情かつ的外れな少子化対策


財務省のスタンスは財政支出をとにかく抑えたい、ただそれだけです。

そこには何の信念も理念も理想もありません。何か予算を増やすものがあれば、ほかで減らすという家計簿的な考え方です。

財務省の役人どもは家で家計簿でもつけていればよい。国家財政はとても任せられません。

家計簿感覚で生まれてくるのは、後期高齢者の医療費負担を増やすべきという考え方です。財務官僚は単式簿記しか知らないのではないかと勘ぐってしまいます。

そして、これは東日本大震災の復興財源のときとそっくりなのです。当時の民主党政権は、震災からの復興のために所得税に対してさらに税金をかけるという愚かしい政策を実行しました。

これはなんと2037年まで続くのです。被災地からも容赦なく税金を巻き上げるという、情け容赦なき政策です。

同じようなことが何度も何度も繰り返され、日本経済は縮小均衡路線にはまり込み、世界でもっとも経済成長しない国の一つに成り果てました。

日本の財政は健全化し国民は貧乏に


マスコミもマスコミで噓八百を垂れ流す。

少子高齢化で社会保障費が膨張し財政悪化に歯止めがかからない、などとのたまわっているわけですが、日本国債はすでに約半分を日本銀行が保有しています。

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(出所:財務省)

政府の債務は実質的には減少の一途を辿っており、財政が健全化しているがために日本経済は成長できません。

不景気な時、民間(企業・個人)は会社の財務や家計を健全化しようと支出を減らすため、ますます不景気になります。

それを防ぐのが政府の役目。その義務を財務省は果たしてきませんでした。不作為の罪を問われるべきでしょう。

最後に


財政制度分科会の会長代理を務める日本郵政の増田社長は、社会保障制度が抱える課題は先送りされており、この課題に取り組んでもらいたいと注文をつけたといいます。

日本郵政の社長であるなら、自らの会社の課題にまずは取り組むべきではないでしょうか。

そのために社長になったはずなのですから。

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