世界的な不動産市況の悪化。Jリートにも火の粉が飛んできそう

オフィス不動産の不況は日本だけではありません。いや、むしろ日本はマシな方だといえます。
世界的にオフィス不動産の需要が減退し、厳しい局面に立たされています。
日本にもやがて波及してくるかもしれないこの波・・・。いったい今世界のオフィス不動産市場で何が起きているのでしょうか。気になるところです。
アメリカの不動産市況悪化中
世界のオフィス空室率は、2022年3月末現在で12.9%にまで上昇しており、リーマンショック時と同程度の水準です。
国ごとにかなり温度差があり、世界の主要都市17のうち、10都市はリーマンショック時を上回る空室率となっており深刻です。
特にひどいのはアメリカ。
ロサンゼルスやサンフランシスコは空室率が2割ほどにまで上がっており、リーマンショック時をかなり上回っています。
一方、東京は空室率が5%とやや高いですが、リーマンショック時よりはマシな水準を維持しています。
オフィス需要の減退は金融不安につながる
世界的な空室率の上昇要因はやはりコロナの影響です。
在宅勤務が普及し、オフィスの必要性が薄らいでしまいました。オフィス不動産不況は他の不動産にも飛び火しています。
都市部の人口が減少し、ホテル需要も減退しています。
これらの不動産市況の悪化が金融不安へと連鎖する可能性があり、問題は深刻になってきています。
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日本のバブル崩壊と同じ構図
世界的に長期におよぶ金融緩和で行き場を失ったマネーは、不動産市場に流れ込みました。
そして、オフィス不動産や商業用不動産への融資は膨らんでいます。アメリカではその出し手の約7割が地方銀行などの中小金融機関です。
不動産バブルは担保価値を上げたことから、さらに銀行は積極的な融資に走りました。
しかし、バブルははじけつつあります。アメリカでの商業用不動産価格は下落を続けており、2023年4月は前年同月比で約15%の下落となりました。
不動産の所有者は、不動産を担保に銀行から借り入れをしているのですが、金利上昇と銀行の貸し渋りで借り換えもままならない。
そこでやむなく売却をするわけですが、担保割れの価格となり、銀行は融資金の回収ができないという事態が起きています。
日本のバブル崩壊と同じ図式です。
最後に
アメリカがくしゃみをすれば日本は風邪を引く。Jリートの投資資金の多くは海外投資家からのものです。
海外不動産がこければ、Jリートを売却して資金を作ろうとするに違いない。
ここしばらくは危うい状況が続きそうな気配なのです。
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