日本株の上昇は本物?流れは変わり長期上昇トレンド入り!?

チャート

2023年5月以降の日本株上昇の勢いは凄まじい。あまりにも強気な相場であり、ついて行けない投資家が多かっただろうと推測します(小生はそうです・・・)。

ここまでの上昇はとても予想できませんでした。

ところで、この上昇は大きなトレンド変化に基づくものなのか、それとも一過性のプチバブルともいえるものなのか、判断に迷うところです。






NT倍率の異様な動き


日本株が上昇しているといっても、すべての銘柄が広く買われているわけではありません。

それはNT倍率を見てもわかります。5月以降のNT倍率の動きは異常です。

日経平均、とりわけ日経平均を大きく動かす値がさ株が買われたといえます。

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この動きは円安と見事に連動しています。円安で大きなメリットを得られる大型株に
買いが集中したものと思われます。

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日本株を動かしているのは海外投資家


日本株の上昇の原動力となっているのは海外投資家の動向によるものです。

いまや日本株取引の約7割は海外投資家が行っているのですから。だから、海外投資家が今後も日本株を買い続けるかが、今後の日本株の動きを決めるといっても過言ではないでしょう。

しかし、海外投資家といっても一括りにすることはできません。

日本の投資家といってもさまざまな人がいるのと同じことであり、ステレオタイプ的な見方は子どもじみていると思われます。

超目先の高速取引業者


さて、海外投資家といっても多様ではありましょうが、5月からの日本株急上昇の主役は、高速取引業者などの超短期筋の投機家あるいは巨額の資金を動かす政府系のファンドではないかと目されています。

それぞれ、その特徴を見ていきましょう。

まずは高速取引業者に代表される短期の投機家の特徴です。

彼らの特徴はファンダメンタル要因にはお構いなく、上がるから買う、買うから上がるのゲーム的な取引を持ち味とすることでしょう。

これは裏を返せば、下がるから売る、売るから下がるの連鎖を引き起こす可能性を秘めていることになります。

儲かるのならば上がろうが下がろうがお構いなしといった連中なのです。

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政府系ファンドの特徴


一方、巨額の資金を運用する政府系ファンドの特徴はどうでしょうか。

彼らの特徴は、資金が巨大すぎるがゆえに中小型株には手が出せないことです。流動性が低く、自らの買いで株価がうなぎ上りに上がってしまうからです。

株を買うなら大型株しかありません。

この点を踏まえれば、5月以降の大型株中心の上げは、政府系ファンドの資金が大量に流入してきたのではないかとの仮説が成り立ちます。

しかし、一点気になる点があります。政府系のファンドはファンダメンタルに基づく投資を行うのが基本であるという点です。

その点、日本企業の業績見通しは他国に比べて際立つものではありません。PERも同様でとりわけ割安とはいえず、PBRという観点において、東証がプレッシャーをかけるほど割安な銘柄が多いくらいです。

とはいえ、大型株ではそれほどでもありません。

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逆回転のリスク


上記を踏まえると、5月以降の上昇は短期の投機的な動きである可能性が高いのではなかろうか。

以下は10年で見たNT倍率の推移です。

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13倍程度に下がってくる可能性は十分にあるように思えます。仮にTOPIXが現状のままであるとすれば、日経平均は29690円といったところとなります。

上がるから買う、買うから上がるの流れが逆転すれば、再び日経平均が3万円を割るのではないかと考えられます。

どちらにせよ、日本株の命運は海外投資家の意向に委ねられているという点はまず間違いないでしょう。

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