株価の先見性から2023年後半の株価を決める3つの要素

囲碁

株価には先見性があります。

人によって言うことは多少違いますが、概ね半年から10か月程度先を読んでいるという考え方が大勢です。

そう考えると今の株価は、来年1月から5月くらいを先読みして動いているといえます。2023年度の企業業績を気にした動きと考えてよいと思います。

ご存じのとおり、現状株価は極めて堅調に推移しています。むしろ怖いくらいです。これは2023年度の企業業績は好調であろうことを予測しているに違いありません。

為替レートが想定よりも円安となっていることも企業業績を後押ししていると思われます。

さて、今後の株価を大きく動かしていくのはさらに次の年、2024年度の企業業績がどうなるかということになっていくのでしょう。






中国のくしゃみで日本企業風邪を引く


2023年7月の頭に大手証券3社(野村、大和、SMBC日興)の主要企業の業績予想が出そろいました。

それによれば2024年3月期の大手企業の業績予想は3社そろって前回予想から引き下げられました。

業績予想が引き下げられた要因は主に2つです。

1つめとして中国景気の減退です。中国経済の停滞で大きな影響を被るのは、化学や電気部品などを手掛ける企業です。

中国は世界の工場へと成長し、日本は工場に部品を納品する下請けみたいな存在に落ちぶれました。そのため、中国がくしゃみをすれば日本は風邪を引くという状態となっています。

中国の経済統計などはほとんど当てにならないのですが、一応の目安として中国の経済成長率を示しておきましょう。

20230705china.png
(出所:世界経済のネタ帳)

中国のトップは裸の王様


浮き沈みはあるとはいえ、中国は2010年くらいまでは、毎年10%程度の超高度成長を続けてきました。

しかし、さすがに巨大化しすぎて、猛烈な経済成長は不可能になりつつあります。

また、経済音痴の習近平がトップになった影響も大きいと考えられます。無茶苦茶なゼロコロナ政策などは、まともな経済知識があれば愚の骨頂だとわかるはずですが理解できないようです。

習近平は権力維持と台湾奪取には異様なほど執着を見せますが、こと経済に関しては驚くほど無知であり、中国経済は今後、波乱含みとなるでしょう。

もっとも日本は中国の属国と化しつつあり、対岸の火事ではないことに注意が必要です。

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金利急上昇で住宅市場冷え込む


さて、2つめの要因としては世界的な金利の上昇です。金利の上昇は企業の借入金の金利負担を増しますし、設備投資も抑制される。

住宅ローンの金利も上がりますから、家を買う人が少なくなります。家が売れないと経済へのマイナス効果が大きい。

家電や家具が売れないし、引っ越し業者も潤いません。

以下はアメリカの住宅着工件数などの推移です。

20230705jyuutaku.jpg
(出所:経済産業省)

2022年以降、顕著に減少しています。

また住宅ローン金利の上昇とともに、住宅の値段が下がり、値を下げなければ売れなくなっていることがわかります。

20230705jyuutaku2.jpg
(出所:経済産業省)

今後の株価を決める3要素


2024年3月期の業績予想から考えると、日本の株価がここからさらに一段高となるのは難しいのではないでしょうか。

唯一希望が持てるのは輸出産業です。

2023年度の想定為替レートは130円程度となっていますが、実際のレートは140円を超えています。輸出企業にとっては業績の上方修正の可能性が高くなっています。

さて、今年(2023年)後半の株価を決めるのは、2024年度(2025年3月期)の業績となるのでしょうが、今のところはっきりとは見通せません。

証券大手3社の予想は概ね8%前後の増益となっていますが、彼らは商売柄、あまり弱気なことは言いません。

中国経済の動向、欧米の金利動向、円ドル為替レート、この3つで2024年度の企業業績、ひいては株価が決まってくると考えられます。

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