オフィス型Jリートの低NAV倍率は将来の価格下落を予言する!?

オフィス

アフターコロナでオフィス不動産も最悪期を脱したようですが、長期的な視野に立つとその将来はかなり厳しく、暗雲が立ち込めているようです。

そしてその兆候はすでに表れてきています。オフィス不動産に投資するJリートへの投資には慎重とならざるを得ない。

むしろ今のうちに売却したほうがよいのでは?とも考えてしまうほど将来に悲観的な見方が広がってきています。

オフィス系Jリートおよびオフィス不動産を多く保有するJリートへの投資には慎重なスタンスが必要だと感じます。






アフターコロナでも回復は鈍く


意外なことに、引き続きデフレ下であり続けたこの10年(2013年~2022年)で、東京のオフィス価格は65%も値上がりしています。

ニューヨークでさえ9%上昇にとどまっているにもかかわらずです。

しかし、コロナ騒動でオフィス需要は一気に冷え込み、働き方自体が変わってしまった中、コロナ騒動が終息に向かってもオフィス需要は、コロナ前の水準に戻ってきません。

企業はオフィスのありかたを見直しており、オフィス面積を小さくしても、交通の便がよい東京都心のオフィスに移ろうとしています。

一方で、立地に恵まれないオフィスは敬遠され、賃料を下げてもテナントが入らないエリアやビルも出てきています。

新規でテナントを募集した場合、コロナ前であれば、平均して4か月程度で新たなテナントが見つかっていたのに、現状では1年近くもかかっているという実態もあります。

同じ東京のオフィスでも勝ち組と負け組がくっきりと分かれてきており、負け組の状況は深刻です。

さらなる試練が待ち構える


長期的な視野に立つと事態はさらに深刻となります。

そもそも今後、労働人口がさらに急速に減少していきます。それは生産年齢人口(15~64歳)の人口推移を見れば一目瞭然です。

20230711seisannennrei.jpg
(出所:総務省)

2045年には今よりも2000万人も減少してしまうということになります。

AIやロボットの活用などで生産性を向上させることで、人手不足を乗り切ることは可能だと思いますが、必要となるオフィス面積は今よりも狭くなることは確実です。

ある証券会社のアナリストによれば、2050年のオフィス需要は2022年に比べて19%減少するといいます。

オフィス不動産の空室率は上昇し、賃料は下落する。オフィス型Jリート保有者にとっては悪夢のような事態です。

この悪夢は構造的な問題であり、長期的に苦しめられつづけることとなりそうです。

変化の兆しはすでに・・・


すでに変化の兆しが表れています。

東京でも、オフィス需要の減退からオフィス街が、住宅街に変貌をとげるといった事態が起きています。

また通常、同じ面積であれば、オフィスの賃料のほうがマンションの賃料を上回るのが普通ですが、これが逆転する現象も表れています。

そして市場は未来を見抜いているようなのです。それはJリートの異様に低いNAV倍率(※)です。

NAV倍率は株式におけるPBRの概念と同じようなものです。

1倍割れであれば、保有不動産の価値よりもJリートの投資口価格のほうが安く、いわば不動産を全部売却して投資家に資産を返却したほうが得だともいえます。

今までの経験則では、流動性に勝るJリートは純粋な不動産価格にプレミアムがつくのが普通であり、オフィス型Jリートの過去の平均は1.1倍程度が普通です。

しかし、現状はどうでしょうか。

(※)NAV倍率
不動産の時価に基づく不動産投資法人の純資産価格をNAV(Net Asset Value)という。さらに、投資口価格を、投資口数1口あたりのNAVで割ったものをNAV倍率という。株式投資におけるPBRの概念に近い。NAV倍率が1倍を超えると不動産投信の実際の価値よりも市場での価格が高いと考えることができる。

株価チャートのすごコツ80 [ 杉村 富生 ]

価格:1,650円
(2023/7/11 19:41時点)



オフィス型JリートのNAV倍率


8951 日本ビルファンド投資法人    1.00倍
8952 ジャパンリアルエステイト投資法人 0.94倍
8958 グローバル・ワン不動産投資法人 0.85倍
8972 ケネディクス・オフィス投資法人  0.87倍
8975 いちごオフィスリート投資法人   1.02倍
8976 大和証券オフィス投資法人     0.80倍
8987 ジャパンエクセレント投資法人   0.78倍
3234 森ヒルズリート投資法人      0.93倍
3290 Oneリート投資法人        0.88倍
2972 サンケイリアルエステート投資法人 0.77倍

わずか2銘柄しか1倍に達していません。

これは何を示唆しているのでしょうか。そう、分配金が減少し、保有不動産の値下がりを通じて投資口価格が下落する、これを先どった動きだという可能性が高いのではないでしょうか。

最後に


この10年で日本の不動産価格が上昇したのは、アベノミクスによる影響が大きいものと思われます。

しかし、現岸田政権の動きを見れば、いずれ反アベノミクス路線へ転換していくことは明らかであり、65%の上昇が行って来いとなってしまうことも覚悟しておかねばならないと思うのです。

↓↓応援クリックお願いします↓↓

にほんブログ村

タープ博士のトレード学校ポジションサイジング入門 スーパートレーダーになるための自己改造計画 (ウィザードブックシリーズ) [ バン・K.タープ ]

価格:3,080円
(2023/7/11 19:45時点)






関連記事

コメント

非公開コメント