年金の韓国化進む。そして日本の高齢者はどうなる?!

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日本人は高齢になってもよく働く人が多いという印象がありますが、韓国の方は日本よりもさらに高齢者がよく働いています。

65歳以上の男性で働いているのは、日本では3割弱ですが、韓国では4割強の人が働いています。

韓国人は日本人よりも勤勉で働くのが好きなのでしょうか?

どうやらそういうわけではないらしいのです。いったいなぜなんでしょうか。






お国柄によるリタイア年齢の考え方


以下は、世界各国の人が何歳で退職したいかと考えているかを表しています。

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(出所:社会実情データ図録)

早いリタイアを望むのはフランス人。その他は概ね65歳を理想としています。これに対し、韓国人は70歳まで働くのが望ましいと考えている人が多くなっています。

これは労働に対する価値観の違いから来るものでしょうか?いや、そうとはいえないようです。

子どもに頼らざるを得ない悲しさ


高齢者の生活を支える収入源は国によってかなり異なります。ちょっと古いデータ(2010年)となりますが、世界各国の比較です。

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(出所:社会実情データ図録)

韓国に特異な印象を受けるのではないでしょうか。

子どもたちなどからの援助が主な収入源としている人が3割も占めています。公的年金はわずか1割であり、国が当てにならないので年をとっても働かざると得ないと考えている人が多そうです。

高齢者の悩みの中で、生活費と答える人の比率が韓国とアメリカで高くなっていることがわかります。

韓国の異次元少子化の一要因


韓国では公的年金が高齢者の生活費の基盤となっていません。

それは公的年金の所得代替率の低さから来るものでしょう。韓国では、年金保険料を満額を支払った場合でも所得代替率は4割程度であり、実際には2割程度にとどまっている人が多いといいます(金額にして、日本円で5万から6万円ほどだと思われます)。

韓国の物価は日本と同水準か、やや高いのですから、これではとても生活が成り立ちません。

韓国の異次元少子化の原因はここにもあるのではないかと思います。子どもの養育費のみならず、親の生活費も負担しなければならないとしたら、子どもを作るのを躊躇するのは理解できます。

さて、日本の公的年金の所得代替率はどうでしょうか。

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日本の韓国化はすぐにやってくる


現状は6割程度となっていますが、今後は右肩下がりに下がっていくものと予測されています。

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(出所:厚生労働省)

日本の韓国化が今後進んでいくと思われるのです。

要するに、高齢になっても働かざるを得ないといった状況です。それに輪をかけるような現象として、退職金が年々減少していることが挙げられます。

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(出所:社会実情データ図録)

なのに増税とは・・・


退職金が減少しているにもかかわらず、2023年の骨太の方針では、退職金課税の見直しが盛り込まれました(もちろん増税)。

岸田政権のやっていることは弱い者いじめにほかなりません。

転職を推進したいのであれば、退職金への課税を強化するという懲罰的方法ではなく、転職者に支援金をあげればよい。失敗する可能性が高い転職にチャレンジする者へのサポートです。

現政権は、声が小さいサイレントマジョリティーから徹底的に税金を搾り上げる方針のようです。

こんな政権が続くようだと、高齢になっても望みもしない労働から逃げられず、死ぬまで働く時代が来てしまいます。

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