日本車、中国でのシェアを着実に下げつつある。その原因は?

中国景気が低迷して自動車販売も低調になっているとはいえ、中国は世界一の自動車市場。
腐っても鯛というわけで、その市場規模は巨大です。
日本は世界的な自動車メーカーを抱えており、自動車立国であることはご存じのとおり。
しかし、世界一の自動車市場において、日本メーカーの存在感は徐々に失われつつあります。今、中国の自動車市場でいったい何が起きているのでしょうか。
世界の自動車市場
以下は世界主要国の自動車販売台数を示しています。

(出所:日本自動車工業会)
一目でわかるのは、中国市場の巨大さです。自動車大国のアメリカをも上回り、その世界シェアは約32%にもなります。
人口ではインドが中国を抜いたわけですが、そのインドと比べても違いはあきらか。
逆にいえばインドの潜在成長力は巨大だと見ることができるかもしれません。その点、インドの自動車市場で約半分のシェアを誇るスズキの将来性は相当に期待できると思われます。
日本メーカー、苦境に陥る
ところで、世界一の自動車市場である中国で、日本メーカーのクルマの売れ行きが不振です。
中国の、2023年1月~6月までの自動車国内販売は前年同期比で2.4%増となりました。台数は、約1320万台です。
しかし、日本メーカーに限れば、前年同期比で大きく下回っているのが実態です。
ホンダが22%減、日産が24.4%減と大幅な減少となりました。あのトヨタでさえ、2.8%減となっており、市場の成長率を下回ってしまいました。
これを受け、トヨタは現地合弁会社の従業員約1000名を削減するということです。
日本車、なぜ売れない?
それにしてもなぜかくも日本車は中国で売れないのでしょうか。
それは、中国で急速に進む脱内燃エンジン車の動きです。2023年1月~6月に中国で売れた新車のうち、実に28%が電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車だったのです。
これは前年同期比で6.7%の上昇であり、この上昇に日本車は完全に取り残されているといえます。
好むと好まざるとにかかわらず、世界のEV化は進んでおり、日本はその流れから取り残されつつあるのが実態です。

(出所:経済産業省)
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最後に
中国政府は、これまで一部内燃エンジン車の自動車取得税を半額にするなどの措置を取っていましたが、今後はそれもなくなり、日本メーカーにとってはさらなる逆風となります。
今後も日本が自動車立国であり続けることができるかどうか、それは今後10年で答えが出るものと考えられます。
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