円安=株高時代の終焉。なぜ時代は変わってしまったか?

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日本株は円高が進めば下落し、円安となれば上昇するというのが過去の経験則です。

日本は輸出企業が多く、円安になれば円ベースの売上が自動的に増加し、業績が好調になるからというのがその理由です。

しかし、その王道が崩れ始めています。

上場企業を取り巻く環境にどんな変化が現れているのでしょうか。






円安=株高、円高=株安の時代


以下は日経平均(青線)と円ドルレート(ピンク線)の動きです。

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2007年あたりに1ドル120円ほどだった円ドルは2011年末には76円台にまで突っ込みました。
赤いライン

その間、株価は大きく下落し、18000円台から8000円台にまで下落しています。

一方、2012年代後半に80円台だった為替は、黒田バズーカにより120円台にまで下落。その間に株価は2万円台にまで戻ったのでした。
緑のライン

為替と株の相関、潮目が変わる


では最近はどうでしょうか。

20230816kawasekabu2.jpg

2020年12月には1ドル103円、日経平均27000円台だったものが、2022年12月には1ドル148円にまで下落しました。

株価はさぞかし上がっているかと思いきや、同じく27000円台と膠着状態を続けていました。ここ最近も円安が進んだわけですが、株価は上昇するどころか下落しています。

円安=株高の構図に変化が現れており、むしろ円安=株安の構図にすらなりかねません。

いったいなぜ今までの傾向が変わってしまったのでしょうか。

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円安メリットが受けられない


要因はいくつか考えられます。

日本はかつて貿易立国などと呼ばれ、貿易収支で巨額の黒字を計上していました。

しかし、2000年代のあまりにも苛烈な円高により、日本を生産拠点としていては製造業が成り立たなくなり、工場の海外移転が進んだのはご存じのとおりです。

その結果、円安となっても貿易黒字が増えないという体質に転換しました。

20230816boueki.png
(出所:世界経済のネタ帳)

1994年をピークに貿易黒字が右肩下がりとなっていることがわかります。

要するに円安となっても日本の製造業にはメリットがなくなりつつあるということです。

円安=株高の終焉


日本株の投資主体が主に海外投資家に変わっているという影響も見過ごせません。

海外の投資家は株価が上がっても円安になれば儲けは相殺されてしまいます。

そのため、円安になると日本株を売る動きが加速します。そのため、円安=株安の構図が成立しているわけです。

その他の要因としては、中国経済の落ち込みが挙げられます。

日本は中国に産業用ロボットや工業部品などを輸出しているわけですが、中国の設備投資が弱くなっており、その煽りを受けているものと思われます。

以下は日経平均にも採用されているファナックの値動きと日経平均を比べたものです。

20230816_6954.jpg

ファナックの下げが厳しいことがわかります。

日本企業の多くは中国経済に依存しており、為替相場以前に中国が風邪を引くと日本も同じように風邪を引くという関係にあります。

今後は、円安=株高の連想ゲームは成り立たないと考えたほうがよさそうです。

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