ネット銀行をメインバンクとする企業が急増中。その理由

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東京商工リサーチが全国の法人約156万社を対象に調査したところ、メインバンクの数は以下のようになりました。

1位 三菱UFJ銀行(12万5942社)
2位 三井住友銀行(9万9225社)
3位 みずほ銀行(8万424社)
4位 りそな銀行(3万9160社)

やはりというべきか、旧都市銀行系のメガバンクが上位にきています。

その一方で注目されるのは、ネット銀行の急速な存在感のアップです。ネット銀行をメインバンクとする企業は着実に増加しています。

増加率のトップは前年比39.1%増の住信SBIネット銀行(842社)。2位は15.2%増の楽天銀行(1607社)、3位は14.5%増のPayPay銀行(1453社)となりました。

近年、ネット銀行は法人取引にも力を入れており、メインバンクをネット銀行とする企業が急増しているのです。

さて、企業がネット銀行をメインバンクにするメリットはなんでしょうか。またデメリットはないのでしょうか。






ネット銀行で基本コストを抑える


ネット銀行にあり、対面銀行にない特徴はなんでしょうか。

ネット銀行は実店舗をもたないことから、営業コストが格段に安く済むという特徴があります。そのため、個人取引のみならず法人取引の取引手数料も対面銀行に比べて格段に安く設定できます。

一般的に、法人口座の多くは個人口座とは異なり、口座を維持するために手数料が毎月発生するのが当たり前になっています。

金融機関によって多少差がありますが、概ね2千円から3千円程度と考えておけばよいでしょう。

しかし、ネット銀行の場合は、口座維持手数料を無料としているところがほとんどであり、銀行取引の基本コストを年間3万円前後は抑えることができます。

塵も積もれば山となる。振込手数料


法人は、取引先との資金のやりとりや、従業員への給与支払いなど個人よりも他人との資金のやり取りが多くなります。その主な手段は振込です。

そのため、振込手数料の高低が企業のコストを左右するわけですが、対面銀行とネット銀行では振込手数料が大きく違います。

とりわけ他行あての振込手数料は高くなり、メガバンクで平均770円(税込)、地銀や信金で平均550~660円(税込)程度となっています。

ところが、ネット銀行では他行への振り込みでも100円台から200円台となっており、振込コストを半分以下に抑えることができます。

ネット銀行にもデメリットが


いいことだらけのようなネット銀行ですが、デメリットはないのでしょうか。

店舗をもたないことが、取引先にはデメリットとなることもあります。

最も大きなデメリットは融資機能だといえるでしょう。

大口融資にも対応しているメガバンクや、地域密着型で融資相談に親身に対応してもらえる地銀・信金とは異なり、ネット銀行では融資を行っていないところやオンラインでの小口融資がメインをメインとしています。

高額の融資を受けたい場合や、対面でしっかりと相談したい場合はネット銀行は向いていないと言えます。

産業構造の変化も追い風に


日本における法人取引において、ネット銀行が伸びているのは重厚長大型産業の衰退が挙げられると思います。

それを端的に表しているのが、製造業と非製造業のGDPシェアです。

20230819sangyou.jpg
(出所:環境省)

非製造業の比率が増えており、非製造業は製造業に比べて巨額の資本を必要としません。

ましてや昨今はIT全盛の時代であり、設備投資にかかる金額は高度成長時代に比べて格段に少なくなっているといえるでしょう。

とりわけ新興企業は資金調達ニーズが低くなっており、ネット銀行のコスパがそのデメリットを上回っているため、メインバンクに据える企業が多くなっていると思われます。

今後もこの流れは続くと考えられますので、対面銀行はネット銀行にはない、コンサルティング能力と機動性を磨かなければ生き残ることは難しくなるでしょう。

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