海外転勤で証券口座の残高が強制的に売却され、口座が解約されてしまうという恐怖

日本の投資人口はここ数年で大きく伸びており、とりわけ若年層にその傾向は顕著です。
投資人口は3000万人前後と推測され、日本人の4人に1人は株式や投資信託などリスクのある金融商品に投資をしています。
一方で、これだけの人口がいれば海外への転勤などで、一時的に日本を離れなくてはならない人も数多く出てきます。
投資をしている人が転勤などで海外の居住者になると、投資している株や投資信託を手放さなくてはならない、あるいは凍結されて売買ができなくなるといった事態に陥るため、注意が必要です。
投資人口、着実に増える
日本はNISAやイデコなどの浸透や、2000万円問題に端を発した資産運用ニーズの高まりなどで、投資人口が増え続けています。
以下は有価証券保有率の推移です。なお、2003年以前は世帯、2006年以降は個人での集計となっており、連続性はありません。

(出所:日本証券業協会)
2006年以降、投資信託が少しずつ伸びていることがわかります。
海外駐留の日本人も増加の一途
ところで、日本企業は円高の進展により、生産拠点を海外に移す企業が多くなり、海外に駐留する日本人は右肩上がりで増え続けました。

(出所:外務省)
ここ3年は新型コロナの影響で減少していますが、コロナ収束にともない再び右肩上がりへと増えることが予想されます。
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海外転勤で資産運用が分断される事態に
すると厄介な問題が表面化します。
海外赴任のために、海外転出届を提出して非居住者になると、原則として証券口座を解約したり、凍結したりしないといけなくなってしまうのです。
大手ネット証券では口座に残せるのは日本株・国債に限定され、売買は禁止となります。外国株を売却せずに海外赴任が判明した場合は強制的に資産を売却したり、口座を閉鎖したりするケースもあるというのですからいささか乱暴でしょう。
対面証券でも概ね対応は同じであり、特定口座から確定申告が必要な一般口座に資産を移して、売買はできなくなってしまうのが一般的です。
この理由としては、海外の税制を勘案し確定申告する必要があるが、実際問題として煩雑なため、特別な対応は難しいのだそうです。
ばれないようにうまくやるという手も
では実際のところ、顧客はどう対応しているのでしょうか。
海外に赴任しても国内の証券口座を閉じなかったり、海外の転勤先からネット取引をしたりしている人もいるのが実態のようです。
しかしながら、それが発覚すると厳しい対応を取られる可能性があるので注意が必要です。
あるネット証券のQ&Aには以下の記載があります。
Q.出国手続きをせずに出国した場合、口座はどうなりますか?
A.出国手続きを完了されずに出国していることが判明した場合、当社の任意で口座解約手続きをいたします。その際、非課税口座で保有されている商品は課税口座に、特定口座で保有されている商品は一般口座に払出し、売却後に口座解約いたします。
A.出国手続きを完了されずに出国していることが判明した場合、当社の任意で口座解約手続きをいたします。その際、非課税口座で保有されている商品は課税口座に、特定口座で保有されている商品は一般口座に払出し、売却後に口座解約いたします。
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