住宅やオフィスの天井が高くなる。その背景に隠されているものとは・・・

天井が低いと心理的に圧迫感を感じるものです。
戦後まもなく、建築基準法で最低天井高は2.1Mと定められましたが、これではいかにも低い。
当時の日本人は身長が今より低かったとはいえ、平均的な男性の身長よりも50センチしか余裕がない天井は、屋根裏部屋にいるかのような錯覚に陥ってしまうでしょう。
そして、時代が進むにつれ天井は高くなっていきました。
天井の高さは人間の心理にも大きな影響を与える重要なファクターであることがわかっており、住居選びやオフィス選びの際の着目点の一つといえます。
日本人大きくなる
戦後、高度成長で栄養価の高いものが食べられるようになったり、冷蔵庫が家庭に普及したりすることで、日本人の平均身長は伸び続けました。

(出所:社会実情データ図録)
なおこれは、日本だけの現象ではなく、経済的に豊かとなった国はどこも同様の傾向を示しています。

(出所:社会実情データ図録)
建築基準法を守っても心理的には圧迫感
1950年頃、日本人男性の平均身長はだいたい160センチ程度だったといえます。
最低天井高210センチでは、身長の50センチしか余裕がありません。
ちょっと想像すればわかりますが、これではかなり圧迫感のある天井となってしまいます。家に帰るのが嫌になるかもしれません。寝るためだけならいいですが・・・。
そんなわけで、現在では住宅の天井高は2.4Mが標準的となっています。
しかし、ここに来て高い天井の住宅が注目を集めています。2.7Mの天井高を売りにしたマンションも登場しています。
天井が高いと開放感がありますから、心理的にも良い影響を与えると考えられます。
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せめて天井くらいは・・・
一方で天井の高さを売りにしなれけばならない事情も見え隠れします。
都市部の土地の価格高騰や建築資材の高騰、人件費の高騰などで建築コストが高くなっており、価格を抑えるには、住宅の面積を狭くするほかありません。
実際問題、2022年のマンション1戸あたりの平均面積は約66平方メートルとなり、2005年と比べて約16%も狭くなってしまいました。
しかたがないので天井を高くしたという側面があるように思えます。
もっとも、高い天井はメリットばかりではありません。上に伸ばしても当然コストはかさむわけですし、冷暖房が効きにくくなるといったデメリットもあります。また照明器具を交換するのに苦労することもあるかもしれません。
高い天井、低い天井それぞれの特徴
天井が高くなっているのは住宅だけではありません。オフィスも同じです。
1980年以前の平均的なオフィスでは、天井はだいたい2.5Mほどが普通でしたが、2000年以降は2.7M程度が普通となりました。
なにしろ天井の高さは人間の思考回路に影響を与えるというのですから、社員に頭をフル回転してもらいたい会社としては重大問題の一つともいえます。
具体的には、高い天井はアイデアを思いつく作業に向いており、低い天井は具体的な作業をするのに適していると考えられています。
クリエイティブさを求められる職場にあっては高い天井が必要となりますし、ひたすら地道な作業を行う仕事では、低い天井が適しているといえそうです。
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