物流リートにようやく復活の兆しが。その要因は何か?

倉庫

コロナ禍の巣ごもり消費ブームの波に乗り、物流リートは業績を伸ばし、投資口価格も急上昇していました。

ところが、コロナ禍収束とともに流れは逆回転・・・。2022年は世界的な金利高でリートに逆風が吹く中、二重の逆風に悩まされ、投資口価格は行って来い状態となってしまったのでした。

しかし、ここに来て金融環境の変化と物流業界と取り巻く状況変化により、物流リートに復活の兆しが表れています。

物流リートの置かれた環境は今どう変化しているのでしょうか。






物流リートの苦難


2022年以降、は物流リートにとっては苦難が続いていました。

金利が上昇して、ただでさえ逆風が吹いているところに、世界的なコロナ禍の収束により、それまで買われていた巣ごもり需要関連銘柄は一気に売り込まれることとなったからです。

個人的にも、大きな評価益が出ていたCREロジスティクスファンド(3487)が知らぬ間に評価損となっていたのには驚きました。

あまりに銘柄を増やすと目が行き届かなくなるということを実感したのです。

(関連記事)個人投資家の分散投資。いったいどの程度の銘柄数が適正?

●CREロジスティクスファンド(3487)
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東証リート指数と比べても物流系の下げが厳しいことがわかります。

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金利上昇一服とeコマースの継続的拡大


しかし、ここに来て物流リートを取り巻く環境に変化が生じ、逆風は弱まり追い風に変わろうとしています。

環境変化は3つに分けられます。

1つは長期金利の上昇に歯止めがかかりそうなことです。

アメリカの雇用情勢のひっ迫感も一服し、長期金利の上昇に一服感が出てきました。これはリート市場にとっては朗報といえるでしょう。

2つめとして、引き続き物流リートを取り巻くファンダメンタルズは悪くありません。

eコマース市場は今後もさらに拡大が予想されます。

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(出所:経済産業省)

eコマースの拡大は物流リートにとって追い風なのはいうまでもありません。

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深刻な物流2024年問題


3つめとして、物流の2024年問題が挙げられます。

2024年4月からトラックドライバーの時間外労働の上限規制が適用され、労働時間が短くなることで輸送能力が不足し、モノが運べなくなる可能性が懸念されています。

2024年問題に対して何も対策を行わなかった場合には、営業用トラックの輸送能力が2024年には14.2%さらに2030年には34.1%不足する可能性があると試算されています。

今まで1人で対応してきた物流も労働時間の関係で複数人で対応せざるを得なくなります。

その際、物流の中継地点が必要となるため、物流施設の需要は増加するということになります。需要の増加は物流リートにとって追い風となるのは当然です。

参考(物流型Jリート)



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