断末魔の叫び。毎月分配型投信が売れているが来年からは・・・

一定のニーズがあるのは理解できます。しかし、仕組みをよく理解した上で投資しているかといえばいささか心もとないという気がします。
毎月分配型投信です。
ここ最近、再び毎月分配型投信に資金が流入しているというのですから頭を傾げるのです。
なぜなら投資効率が悪い投資信託にどうして資金を振り向けるのか理解できないからです。
そして、毎月分配型投信が売れているのも最後の局面ではないかとも思えるのです。なぜなら2024年から投資を考える上で、新NISAという新たなファクターが加わるからです。
物価上昇と毎月分配型投信
驚くことに、毎月分配型ファンドに15か月連続で資金の流入が増えているといいます。
個人投資家の分配金へのニーズは根強いものがあり、、2021年から高い分配金を出す毎月分配型ファンドへの資金流入が再拡大しているというのであります。
これは主に年金生活者が目先の生活資金ほしさに、毎月分配型投信を利用しているのではないかというのが個人的推測です。
2021年あたりから、コロナの影響で物価が急上昇したのはご存じのとおりです。

(出所:世界経済のネタ帳)
物価上昇に追い付かない年金
しかし、年金生活者に支給される年金は、マクロ経済スライド(※)によって抑制気味にしか増えません。
ただでさえ、カツカツの生活をしていたのに、物価が上がれば毎月の収支は赤字になってしまいます。
そこで活用されるのが毎月分配型投信ではないかと考えられるのです。
※マクロ経済スライド
そのときの社会情勢(現役人口の減少や平均余命の伸び)に合わせて、年金の給付水準を自動的に調整する仕組み。年金額は賃金や物価が上昇すると増えていくが、一定期間、年金額の伸びを賃金や物価が上昇するほどは増やさなくすることで、保険料収入などの財源の範囲内で給付を行いつつ、長期的に公的年金の財政を運営していくという仕組み。
そのときの社会情勢(現役人口の減少や平均余命の伸び)に合わせて、年金の給付水準を自動的に調整する仕組み。年金額は賃金や物価が上昇すると増えていくが、一定期間、年金額の伸びを賃金や物価が上昇するほどは増やさなくすることで、保険料収入などの財源の範囲内で給付を行いつつ、長期的に公的年金の財政を運営していくという仕組み。
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抜け道探しで新NISAでも実質毎月分配
ところで2024年からの新NISAでは、つみたて投資枠はもちろんのこと、成長投資枠についても、毎月分配型の投資信託は投資対象から排除されます。
多くの資金を有価証券で運用している人は新NISAでも投資枠は足らないでしょうが、一般庶民であれば新NISAの枠内ですべて投資できるという人も少なからずいるはずです。
そんな人は、毎月分配型投信を買うのはバカらしい。税金が取られるからです。
かといって分配金が欲しい、そんなニーズに応えてか、隔月分配型の投資信託が新NISAの成長枠での投資対象となっていたのですから、いささか驚きました。
奇数月と偶数月の両方に投資すれば、毎月分配となんら変わりがありません。
最後に
新NISAで毎月分配型投信は再び脇役へと追いやられるはずです。
しかし、絶滅はしないでしょう。細々と生き残っていくものと推測します。
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