同じ高利回りなのにJリートはダメダメ、高配当株はイケイケ

ビル

オフィス不動産を巡る情報は強気と弱気が交錯しておりますが、長期的に見て弱気が正しいように思えてなりません。

その理由は、長期的に需要が減退していくであろうこと、そして金利の上昇がいよいよ始まったと考えられることです。

資金調達のおよそ半分を借入金で賄っていることから、金利の上昇はJリートにとって収益悪化要因となります。

需要が伸びていれば、賃料をアップさせることで、金利負担と相殺することもできますが、現状は逆であり、賃料を下げなければならないのに、金利負担が増すという二重苦です。

Jリートの今後はどうなのか調べてみました。






金利のある世界への復活


日銀が10年国債の変動幅の条件を緩和してから、日本国債の利回りは少しずつ上昇しています。

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いまや0.7%にまで上昇し、金利のある世界へと復活しつつあります。

金利の上昇に連動するように東証リート指数の価格は下落基調・・・。その要因は上述したとおりです。

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オフィスを取り巻く需給動向


Jリートの主体であるオフィス不動産を取り巻く環境は依然として厳しいといわざるを得ません。

東京都心のオフィス空室率は2023年8月時点で6.4%となっており、供給過剰の目安とされる5%を31カ月連続で上回っています。

2027年に都心空室率は7.2%まで悪化するとの予測も出ており、強気にはなれません。

にもかかわらず、今後、大量のオフィス供給が見込まれており、需給関係は悪化すると見られます。

延べ床面積1万平方メートル以上のオフィスビルは、2025年は141万平方メートルの供給が予定されています。

大規模オフィスの新規供給で中小ビルの需要が奪われています。中小オフィスの多い品川・港南エリアの2023年4〜6月の平均賃料は1坪あたり2万4800円と3年前に比べて1万円も下落しています

新築ビルの需要は比較的堅調ですが、そのあおりを受け、中小オフィスの市場動向は軟調となっており、テナント確保のために値下げせざるを得ない状況です。

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オフィス需要減退の理由


オフィス需給が緩んでいる理由はやはり在宅勤務です。

東京都内の企業のテレワーク実施率は2023年7月で45%を超えています。6割を超えたピーク時よりは下がっていますが、コロナ禍当初の2020年3月の24%を大きく上回っている状態です。

このため、企業は出社と在宅を両立できるようにオフィス集約を進めるとともに、昨今流行している、席を固定しないフリーアドレス制を採用して、オフィス面積を減らしています。

Jリートと高配当株


ところで、リートは利回り商品であり、高配当利回り株を同じ部類に属すると思われます。

そのため値動きはJリートに似ているかと思いきや、まったく逆の動きをしています。

以下は高配当株のETFである「NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信」(1489)の値動きです。

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金利の上昇などものともせず、爆上げしていることがわかります。

いったいなぜなのでしょうか。

Jリート受難の時代続く


日経平均高配当株50指数連動型上場投信を構成する非金融系の上位3社について調べてみました。(日本製鉄・日本たばこ産業・武田薬品工業)

日本製鉄(5401)    有利子負債比率 約30%
日本たばこ産業(2914)    〃    約16%
武田薬品工業(4502)     〃    約32%

同じ高利回りでも、Jリートが借入金に大きく依存しているのに対し、株式はそれほどでもないことがわかります。

今後の収益に関してもJリートは厳しい見通しなのに、企業の業績は好調であり、この点でも株式優位となっています。

この2つの要因がJリート低迷の理由であると考えられ、当面この状況に変化はなく、Jリート受難の時代はしばらく続くものと予想します。

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