低賃金で低失業率、高賃金で高失業率、どっちが良いのか?

日本は失業率は低いものの、給与は伸び悩み実質賃金はひたすら下がり続けています。
しかし、一方で自殺者はデフレ最悪期よりもかなり減少し、豊かではないものの、なんとか生きていける社会ではあります。
日本においては、賃金の増減と失業の増減はトレードオフの関係にあり、現状は1億総貧乏ではあるが、なんとか職にありつけている状態だといえます。
賃金が低くても失業が少ない社会と、賃金が高くても失業が多い社会ではどちらがよいのでしょうか?
アベノミクス後の労働環境の不思議
以下は1989年からの物価変動を考慮した実質賃金の推移を示しています。

(出所:厚生労働省)
リーマンショックあたりでガクンと下がり、その後も伸び悩んでいることがわかります。
意外なのはアベノミクス後も実質賃金は伸び悩んでいることでしょう。
しかし、これには原因があります。
アベノミクスでは雇用の確保が重視されました。そのため、2013年以降に新たに労働市場に入ってきた人が多くなっています。
これらの多くは非正規雇用者です。

(出所:社会実情データ図録)
非正規雇用に良いイメージを持つ人は少ないのではないでしょうか。
しかし、意外なことに非正規雇用を自ら望んでいる人が多いのが実態なのです。
年齢層によってばらつきはあるものの、全体では不本意ながら非正規雇用で働いている人はわずか14%程度にしかすぎません。

(出所:厚生労働省)
これはいったいどうしてなのでしょうか。
ブラック企業。地下へ潜伏す
要因は複数あろうかと思いますが、私が思う最大の要因は日本の正社員の多くはブラック体質の企業で働いているからです。
日本労働調査組合が2021年7月21日に発表した「ブラック企業に関するアンケート」の結果では、自身の勤務先をブラック企業だと思う比率は31.2%にも及びます。
「分からない」が20.2%であり、自身の勤務先を「ブラック企業ではない」と否定していない人が51.4%と半分以上を占めています。
働き方改革などといわれるもので、ブラック企業は減ったと思っている人が多いとは思いますが、実際問題としては、地下へ潜ってブラック企業を続けている企業が多いと思います。ビッグモーターなどは象徴的な典型例でしょう。
非正規労働者もその辺は十分承知していますから、あえて地獄に飛び込もうとは思わないのでしょう。
労働者増えても賃金増えず
アベノミクス以降、雇用情勢は好転しましたが、新規労働者の多くは非正規労働者であったというのが実態です。
非正規雇用者の賃金は正社員に比べて低い。それは日本においてはとりわけ顕著です。
無期雇用者と比べた有期雇用者の賃金は、欧米では7~9割程度であるのに対し、日本は6割程度でしかありません。このため、日本では雇用者の数が増えても実質賃金が上がりにくいという状況にあります。
なぜなら、「平均賃金=事業者が支払った賃金の総額÷事業所の従業員数」で求められるからです。
実質賃金はこれに物価変動要因を加えてだけにすぎません。
また、雇用当初は低賃金からスタートするのが普通であることも実質賃金が伸び悩んだ要因の一つでしょう。
失業率か賃金か?
さて、賃金が低くても失業が少ない社会と、賃金が高くしても失業が多い社会ではどちらがよいのか?
究極の選択ともいえますが、これは間違いなく前者の方がマシです。
失業率と自殺者には正の強い相関があるからです。


(出所:ニッポンの数字)
問題なのは、1億総貧困化が進んでいるにもかかわらず、政府(=財務省)が税収アップをひたすら狙っていることです。
日本の貧困化が進んでいるにもかかわらず、日本の税収は右肩上がりで増えており、家計を圧迫するという非人道的政治が行われています。

(出所:ニッポンの数字)
これは主に財務省の意向であることは近年多くの識者の指摘で明らかになっています。
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日本、自ら望んで経済成長せず
国民が貧乏になってるにもかかわらず、税金を取りまくるとは最悪ですが、もう一つの最悪があります。
民間経済が委縮しているにもかかわらず、政府はプライマリーバランス黒字化という無意味な目標を今だ掲げ、民間経済同様、合成の誤謬に陥っていることです。
以下のグラフは縦軸に政府支出の伸び(2001年から2019年)、横軸にGDPの伸び(〃)を示したものです。

(出所:新世紀のビッグブラザーへ(三橋貴明氏ブログ))
政府支出の伸びと経済成長には明確な正の相関があります。要は、政府が支出を増やせば経済は成長するということです。
こんな単純なことが日本では理解されておらず、そのため実行もされず、貧困化がどんどん進んでいます。
まったく世の中おかしなことだらけなのです。
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