楽天証券とみずほ銀行の不思議な提携。何か裏があるのでは?

チェス

今から約1か月前の2023年8月25日、楽天証券とみずほ銀行が金融商品仲介業に関する契約を締結しました。

この契約に基づき、楽天証券は株式などでの運用を希望する、みずほ銀行の顧客に対し、楽天証券の金融商品を提供していくというのです。

しかし、何か違和感を感じるのは小生だけでしょうか。






SBI証券と楽天証券がネットを牛耳る


楽天証券は、SBI証券と並んで日本を代表するネット証券へと成長しました。

その口座数はなんと約930万!!

成人の10人に1人は楽天証券に口座を開いているという計算になります。SBI証券は楽天証券を上回り、1000万口座以上を保有しています。

ネット証券3位のマネックス証券は約220万口座であり、ネット証券業界は、SBIと楽天に牛耳られたといってよいと思います。

あれっ、みずほ証券は?


何に違和感を感じるのか。

それはみずほグループには、グループ内にみずほ証券という総合証券が存在するからです。

ネットでのサービスも展開しており、口座数は約170万といったところです。

みずほ銀行の顧客であれば、みずほ証券を紹介すればよいはず・・・。なのになぜ楽天証券と組む必要があるのでしょうか。

思い出されるシナリオ


思い出されるのは数年前、三井住友フィナンシャルグループが楽天証券の買収を検討していたことです。

三井住友FGもグループ内にSMBC日興証券があるわけですが、デジタル分野での遅れが目立ち、その遅れを一気に取り戻そうと楽天証券の買収を検討したわけです。

この話は結局、もの別れに終わりました。事の経緯は以下をご覧ください。

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両者の思惑から利害は一致する?


今回の提携は、三井住友FGがみずほFGに変わっただけのように思えてなりません。

みずほ証券は、SMBC日興証券と比べてもさらに小粒であり、みずほFGとしては証券分野を強化したいという思いがあるはずです。

一方で、楽天グループは楽天モバイルの巨額投資にともなう赤字に苦しめられており、資金調達に頭を悩ませているはず。

両者の置かれた立場から、みずほFGが楽天証券を買収することは利害が一致するように思えてなりません。

貧すれば鈍することにならぬことを祈る


しかし、もしそんなことになれば、楽天グループは屋台骨の一つを失うことになります。

楽天グループで好調なのは、通販と金融ビジネスです。

これがあるから、楽天モバイルの巨額損失にもかかわらず、ビジネスを存続できているわけです。

もし、売却してしまえば一時の資金繰りは楽になるでしょうが、将来の先細りは避けられません。

古い話で恐縮ですが、ヤオハンジャパンの倒産を思い出すのです。資金繰りに窮したヤオハンは稼ぎのよい大型店舗を軒並みダイエーに売り払いました。

しかし、結局のところ資金繰りに行き詰り倒産に至ったのです。

楽天グループが目先の資金繰りのために、柱となっている事業を売却すれば、将来にわたる収益力が低下し、ヤオハンジャパンと同じ道を歩む可能性すら考えておかねばならないと思います。

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