住宅ローンが50年!?将来の悲劇を予感させる無謀な借入

住宅の価格、とりわけ都心部におけるマンションの価格の高騰が著しい。
東京23区内の2023年1月~6月における新築分譲マンションの平均価格はなんと1億2962万円!!これは前年同期に比べ約6割高い水準です。
もはや共働きのパワーカップルですら手が出しづらい水準にまで上昇してしまいました。
それでも日本人の持ち家志向はまだまだ高く、金融機関は住宅ローンの長期化や貸出限度額のアップで、マンション価格の上昇に対応しています。
しかし、もはや常識的なレベルを超えており、将来の悲劇の種がばらまかれているようにしか見えません。
日本人の持ち家志向
日本人全体で見ると6割以上が住宅を所有したいと考えています。

(出所:国土交通省)
年代別に見るとさすがに最近の若者は若干低くなっていますが、それでも半分以上は持ち家志向です。

(出所:国土交通省)
50年も住宅ローン支払続けられるのか
家は欲しいけど高くてなかなか手が出ない。そんなニーズに金融機関が応えてきています。
一つは借入期間の長期化です。
毎月の返済額を少しでも減らしたいというニーズに応えるため、なんと50年借りられる住宅ローンが登場しているのです。
20代や30代からの問い合わせが多いのだといいます。
しかし、例え30歳でも50年経てば80歳・・・。年金生活になっても住宅ローンを支払い続けるなんて芸当ができるのでしょうか。
子どもに債務の継承もできるのですが、なんだかそれも無責任のように思えます。
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長期住宅ローンのリスク
もう一つは、借入上限額の引き上げです。
1億円では物件の購入資金を確保できないケースが出てきたことから、借入上限額を3億円に引き上げる銀行も出てきました。
ところで、住宅ローンが長期にわたれば、月々の返済額は少なくなるものの、返済する総額は増加します。
また懸念されるのは、新規借り入れの9割は固定型ではなく変動金利型を選んでいることです。
現状ではまだ変動金利の金利水準は低いわけですが、数十年もの長期となると今後どうなるかわかりません。
変動金利型は金利が上昇しても5年間は毎月の返済額が変わりません。また、5年経過後の6年目からの毎月の返済額は、それまでの返済額に対して125%の金額までしか上げることができないというルールもあります。
しかしながら、返済期間の最終時点で未払利息と元金を全額返済しなければならない点には大いに注意しておく必要があります。
哀れな結末とならないために
無茶な住宅ローンは、自己破産予備軍を増やすだけのように見えます。
東京23区にこだわらない、あるいは新築にこだわらないといった身の丈に合った妥協も必要なのではないでしょうか。
そうしないと老後破産という哀れな事態になりかねないと思うのです。
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