電気自動車(EV)に急ブレーキが。その原因やいかに

イギリスは、これまでガソリン車などの内燃エンジン車の販売禁止時期を2030年としていたわけですが、2023年9月20日、スナク首相がこれを2035年に延期すると発表しました。
ヨーロッパは中国と並び、電気自動車の販売が好調なのです。なのにどうして内燃エンジン車の販売禁止時期を先送りしたのでしょうか。
EVが売れている地域はごく一部
EV、EVと騒がしいわけですが、世界中すべてでEVが売れまくっているわけではありません。
EVの販売がやたら好調なのは、中国とヨーロッパであり、アメリカや日本ではそれほどたいしたことはありません。

(出所:経済産業省)
EVの主役は中国だが・・・
世界でEVは774万台販売されています。

(出所:経済産業省)
また、全パワートレインでの世界販売7870万台のうち、2686万台は中国が占めています。

(出所:経済産業省)
2686万台×25.2%=676万台であり、EVの9割近くは中国で販売されているわけです。
明らかに歪な構造だといえるでしょう。
中国のEVメーカーは最近5年間で400社も倒産したといわれており、EVの墓場がいたる所で見られるわけです。
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世界的な物価上昇の影響
ところで、イギリスはなぜ内燃エンジン車の販売禁止を2035年まで延期したのでしょうか。
それは昨今の物価上昇に大きく影響を受けています。
日本も物価が上昇しているわけですが、他の先進諸国の物価上昇は日本をしのぐものです。(ただし、日本は物価が上がっても給料が上がらないので悲惨度は日本のほうが高いといえます。)

(出所:社会実情データ図録)
EV高すぎで政治的な見送り
例えば、三菱自動車のekクロスというクルマでは、ハイブリッド車の価格帯は、146万円から183万円となっています。
ところがekクロスEVとなると、とたんに価格帯が上がり、254万から308万となっています。感覚としては2倍弱に跳ね上がるといったところです。
ただでさえ、日用品や食料品の物価が上がっているのに、EVを強制したら国民の大反発を食らう。そんな政治的判断、妥協からイギリスはEVの義務化を遅らせたと考えられます。
最後に
かように、世界の国々は状況の変化に応じて、朝礼暮改で政策を変えてきます。
日本のメーカーもEVに力を入れるのも大事ですが、EVの一本足打法になってしまうと思わぬ肩透かしを食らう恐れが十分にあると思います。
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