不動産株は好調なのにJリートは低迷。いったいなぜ?

Jリートは1年以上冴えない展開が続いています。
その一方で最近、不動産株が上昇しているのです。
Jリートも不動産会社も有利子負債を多く抱えており、金利の上昇が逆風になるのは同じことなのになぜ?という疑問が当然に湧いてくるのです。
いったい何がどうなっているのでしょうか・・・。
Jリートと不動産株の動き
以下は2023年4月以降の東証リート指数の動きです。

完全に横ばいのボックス相場であり、これといったトレンドは見えません。
ところがです。東証業種別株価指数の不動産株を見ると景色がまったく違ってくるのです。
この半年で大きく上昇しているのです。

不動産株好調の理由
ある証券会社のアナリストは不動産株の動きを以下のように分析しています。
・国内金利が急上昇するという不透明感があったが、イールドカーブコントロール柔軟化後も市場が警戒していたほどは上昇せず、不動産株に買い安心感が広がっている
・不動産株は有利子負債の大きさが懸念されるが、大手不動産は財務上、金利を固定する方向のうえ、平均借入期間が5年以上なので、足元の金利上昇がすぐに業績に影響を与えるわけではない
・景気回復を伴って金利が上昇するのであれば、賃料や資産価値の上昇による好影響が悪影響を上回ると考えている
・不動産株は有利子負債の大きさが懸念されるが、大手不動産は財務上、金利を固定する方向のうえ、平均借入期間が5年以上なので、足元の金利上昇がすぐに業績に影響を与えるわけではない
・景気回復を伴って金利が上昇するのであれば、賃料や資産価値の上昇による好影響が悪影響を上回ると考えている
平均借入期間が5年以上と長期にわたることが、不動産会社の強みのようですが、Jリートはどうなのでしょうか。
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Jリートが低迷している理由
Jリートにおいては、有利子負債の残存年数が短いようです。
5年超は約37%ほどであり、3年未満が約36%と比較的短期での借入が多いといえます。
そのため、金利の上昇による悪影響が不動産株に比べると早く出てくると考えられます。これがJリートが低迷している主要因であろうと思われます。
不動産市況はどうなのか
最後にオフィスを取り巻く市況の動きをアナリストはどのように見ているか、紹介しておきましょう。
・2025年にオフィスの大量供給が見込まれており、しばらくオフィス空室率(都心)は足元の6%前後で推移するとみている。ただ地域差があり、人気の高い千代田区や渋谷区はすでに賃料が底を打っている
オフィス不動産については最悪期を脱しつつありますが、すぐに好転する状況でもなく、横ばいが続きそうな気配です。
金利情勢、不動産市況を見ても、Jリートの低迷はまだまだ続きそうな状況です。
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