アルゴリズム取引について今さらながらまとめ

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近年のコンピューターの発達により、株式取引にも電子化の流れが一気に高まっています。

ときとして、感情をもたないコンピューターが無感情に一方通行的な取引を大量に行うことにより、相場が大きく振られるケースもあります。

そこで今さら何だ?という感はありますが、昨今個人にも広がりつつあるといわれるアルゴリズム取引についてまとめてみることにしました。

・そもそもアルゴリズムとは何?

ある特定の課題を解決するための計算方法やコンピューターの処理方法のことをいいます。わかりやすく考えれば、問題を解くための数式の塊みたいなイメージということになります。

・それではアルゴリズム取引とは何か?

注文のタイミング、価格、数量などを上記のアルゴリズムに基づき、人手を介さず決定して取引を実行することをいいます。人手を使わないので高速で大量の注文を発注したり、管理したりできます。

・アルゴリズム取引を用いた投資戦略

アルゴリズム取引をコンピューターで行うことによる高速取引がその戦略の要諦といえます。その基本的な戦略の下で以下のような戦術を用いていくこととなります。

○受動的マーケットメイク

取引所に売りと買い、双方の注文を出しておき、自らが取引の相手方となって売り買いの値のサヤを利益とする取引をいいます。例えば、100円の売り注文と99円の買い注文を出しておき、99円で買って、100円で売るということを繰り返して利ざやを稼ぐという手法です。利ざやが薄いので大量の取引を行う必要がありますが、コンピュータの処理能力の高速化によってそれが実現可能となっています。

○アービトラージ(裁定取引)

同一商品の市場間での価格差を利用したり、ETFとその原資産の集合体の価格との差を利用したり、現物と先物との価格差を利用してその利ざやを稼ぐという手法です。古くは紀伊国屋文左衛門がみかんを紀州で安く買って、江戸で高く売ったというのも裁定取引の一種です。

○トレンドフォロー

株価のトレンドを察知して、そのトレンドを追って取引を繰り返して利益を重ねていくという手法です。上記の2つと違い、うまくいくことばかりではありませんが、いかに勝率を上げるか、損失を抑えて利益を出していくかというコントロールが重要となります。

○ニューストレーディング

過去の企業業績の発表や経済ニュースの発表時に株価がどう動いたかのパターン分析をしておき、同じようなニュースが出たときにその分析に基づいて取引を行う手法です。こちらもうまくいくとは限りませんが、いかに勝率を上げられるかのパターン分析の手法が鍵となります。

どのような手法であれ、サラリーマン投資家にはハードルが高く、また大きな利益率を確保できるものではないと思いますが、その手法について知っておくことはコンピューターの裏をかく、あるいは騙されないためにも役立つことになると思います。




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