仕組債がダメなら外貨建て保険で丸儲け。金融機関の自分本位営業

仕組債の不適切な販売で、千葉銀行、その傘下のちばぎん証券、武蔵野銀行が行政処分を受けたのは2023年6月のことでした。
銀行は真面目なイメージが強いのですが、昨今の銀行はそうでもないらしい。
口では顧客本位などと綺麗事を並び立てていますが、その行動原理はまったく自分本位だといえます。
顧客を食い物にし、高い手数料をむさぼり取る。
金融商品の仕組は複雑で、素人にはなかなかわかりづらいことを逆手に取って騙しにかかるのが金融機関の常套手段だといえるのではないでしょうか。
そして、仕組債の次に金融当局が問題視しているのは、外貨建ての保険だといわれています。言行不一致の金融機関は、今、戦々恐々といったところだと推測します。
嘘で塗りつぶされた顧客本位
多くの人にはあまり馴染がないであろう、外貨建ての一時払い保険が銀行の保険窓口販売でやたらと売れているらしい。
2022年度は、欧米の金利が上昇したこともあり、販売は好調で、販売額は前年度の8割増しにもなったということです。
しかし、すべての金融機関で同じように売れているわけではありません。強烈に販売しているところもあればそうでないところもあります。
その違いは何から来るのでしょうか?顧客のことを思って?とんでもない。
保険販売に占める外貨建て一時払い保険の販売割合がほぼ10割の銀行では、外貨建ての保険を販売すると、円建てに比べて2.5〜4倍の業績評価がされる事例があったといいます。
要するに自分たちの成績のために、顧客の金を思いどおりに動かしているといってよいでしょう。
多くの場合、顧客本位の業務運営などというのは噓八百なのです。
潜在的な苦情案件が多数
一時期、外貨建ての保険を巡って、多くの苦情が発生し、問題となったことがありました。
付け焼刃の対策で、苦情は横ばいをキープできるようになってはいますが、単に今は為替が円安となっていて評価益が発生しているからとも思えます。
今後、円高に振れるようなことがあれば、損失が表面化して苦情が多数発生する可能性がないとはいえません。
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金融庁、動く
なぜ金融機関は外貨建ての一時払い保険を熱心に販売するのでしょうか。
「高い業績評価=高い手数料」であることは間違いないところでしょう。
お客から高い手数料をボッタくることができる商品、それが外貨建ての一時払い保険というわけです。
こんなことは、金融当局は百も承知であり、仕組債後の獲物として外貨建ての保険に狙いを定めてきました。
金融庁は銀行や証券会社の外貨建て一時払い保険の販売について実態調査に乗り出すということです。2023年末ごろまでに、銀行・証券会社数十社程度に対し、アンケート調査や対話によるヒアリングを実施していく模様。
また、年明け以降は、各代理店を監督する立場である生命保険会社の取り組み状況を確認していくということです。
この際、徹底的に調査して、厳しい対応をしてもらいたいもんです。
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