インフレ下でデフレ化する不動産市場。そして不動産株とJリートの今後

ビル

Jリート市場が停滞を続けている一方で、何がどうなっているのか不動産株が高くなっています。2023年3月末を基準として株価を見た時、不動産株の値上がりは市場平均の値上がりを大きく上回ります。

いったい誰が、どんな意図で不動産株を買い漁っているのでしょうか。

そして、それはJリート市場にもいずれ波及してくるのでしょうか。気になるところです。






Jリートの下落トレンド続く


Jリート市場は、相変わらず低迷・・・。

以下は東証リート指数のここ5年間の動きです。

20231011reit.jpg

コロナショックの暴落後、一時はコロナ前の水準にまで戻しましたが、そこから再び下落トレンド入り・・・。

このトレンドに今のところ変化は見られないのであります。

Jリート低迷の要因


なぜJリートは低迷を続けているのか。

一つ考えられるのは、金利の上昇でしょう。世界的なインフレ傾向から日本の金利も若干ではありますが上昇しています。

以下は長期国債(10年)の利回り推移です。

20231011bond.jpg

一時期はマイナスだった金利もいまは0.8%程度の高金利?となりました。

資産の半分程度を借入金で賄っているJリートにとって、金利上昇は収益面で逆風となります。

これがJリート低迷の一番の要因であろうと思います。

その他、コロナによるオフィス需要の変化、巣ごもり需要の減退による物流リートの減速などもJリートにとってマイナス材料となっています。

不動産賃料はデフレが継続


東京都心のオフィス賃料は2023年8月、前年同月比で2.4%下落しました。徐々に下落幅は縮小していますが、プラスに転じる気配は見られません。

この間、物価は3%以上上昇しており、不動産賃貸料は物価の上昇に乗り切れずにいます。

このような状況ですから不動産株も低迷しているかと思いきや、その逆なのですから首を傾げるのです。

日本の不動産株を熱心に買っているのは海外の投資家だといわれます。

日本においてもインフレが定着すれば、オフィス賃料も上がり、不動産の価値も高まるという見立てです。

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日本の不動産市場はバブル!?


この見立ては正しいのでしょうか。

スイスの大手金融機関であるUBSが、は世界の主要都市を対象とし、住宅価格に対する平均年収や賃料、GDPに対する住宅ローン額の比率などから総合的な不動産バブル指数を算出しています。

これによれば、2023年9月時点で、東京は世界で2番目にバブルリスクが高い都市とされました。

あくまで、住宅価格をもとに算出されているとはいえ、日本の不動産はバブルである可能性があるわけです。

Jリート低迷長期化の予感


日本の不動産市場がバブルであれば、不動産株もまたバブルということになるのではないでしょうか。

不動産株の上昇に遅れてJリートが買われていけば、Jリート投資家としてはうれしい限りですが、不動産株が下落して、Jリートの低迷が続く可能性のほうが高いように思えてなりません。

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