SBI証券、楽天証券の株式売買手数料無料化が対面証券に与える影響

雲

SBI証券と楽天証券の株式売買委託手数料の無料化は、他の証券会社に強烈なプレッシャーを与えています。

ダンピング競争には乗ってこなかった対面証券も例外ではありません。

個人の株式売買の8割以上がネットで行われており、株式取引における対面証券の存在感そして存在価値は低くなる一方です。

対面証券は今後どうやって生き残りを図っていくのでしょうか。






低PBRが当たり前!?


2023年に入り、店舗を構える対面証券が経営方針の変換を相次ぎ打ち出しています。

いったいなぜなのでしょうか?どうやら理由は2つあるようです。

まずは東京証券取引所がPBR1倍割れ銘柄に、収益性の向上そして株価上昇のための施策を求めていることです。

成長が見込めない対面証券は、軒並み低PBRとなっています。

(参考)2023年10月13日現在

8601 大和証券グループ本社   0.87倍
8604 野村ホールディングス   0.56倍
8609 岡三証券グループ     0.83倍
8614 東洋証券         0.71倍
8616 東海東京フィナンシャルHD 0.73倍
8622 水戸証券         0.76倍
8624 いちよし証券       0.85倍
8706 極東証券         0.62倍
8708 アイザワ証券グループ   0.77倍

調べた限り、丸三証券だけが唯一、1倍を超えておりました。

ところで、PBRの向上に向けた施策として取り組まれているのは、自社株買いや配当金の増額などですが、これでは長期的な体質とはいえません。

蜃気楼のようなストック型ビジネス


各社がおしなべて取り組んでいるのが、売買の都度、手数料を受け取るフロー型のビジネスモデルから、預かり資産の積み上げにより安定的な収益を得るストック型のビジネスモデルへの変換です。

具体的には、投資信託の残高を増やして信託報酬の獲得を目指す、ラップ口座などの投資一任契約による安定収益の確保といったところです。

しかし、言うは易し。このビジネスモデルはかれこれ20年以上前から業界が目指してきたものですが、今だ実現にいたっていない蜃気楼なのです。

ましてや最近は、信託報酬が異様に安いファンドがどんどんと現れており、コストに厳しい投資家はそちらへと流れます。

売っても売っても収益が上がらないといった状況になるのは目に見えているのです。

投資一任契約は現状、高い手数料率をなんとか維持していますが、これとていつまでも安泰でいられるとは限りません。

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ネットに取って代わられた対面証券


また最近話題となっているSBI証券と楽天証券の株式売買手数料の無料化の影響も甚大です。

一昔前は、株式取引といえば対面型の証券会社しかなかったわけですが、金融自由化とインターネットの普及が同時進行した2000年前後からネット証券がみるみる台頭し、いまや株式取引はネットが主役です。

対面証券は完全に株式取引から駆逐されたといっても過言ではないでしょう。

苦し紛れに一部証券会社は仕組債などに収益の多くを見出しましたが、社会問題化した今、仕組債に頼ることも困難となりました。

業界再編再び


日本はバブル崩壊後、証券会社の再編が相次いだわけですが、それでも米国に比べて証券会社が多すぎるのだといいます。

米国では独立系証券会社は4社に集約されつつあります。それに比べれば日本はまだまだ数多いということです。

今後、証券会社の再編が再び加速していくことは間違いなさそうです。

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