物流リート行って来い。そして当面好材料は見込めず・・・

行って来いとはまさにこのことかと思わせるのが物流リートの値動きです。
物流REITの値動きを示すMFI J―REITスタイルインデックスは、コロナ禍の巣ごもり需要への期待から、2021年末にかけて、コロナ前の4割高の水準にまで上昇しました。
しかし、その後は下落を続け、コロナ前の水準にまで戻ってしまいました。
いったいなぜこんなことになってしまったのでしょうか。
物流施設、需給が崩れる
物流リート低迷の理由は、過剰供給、この一言に尽きると思います。
物流施設は、コロナ禍によるネット通販の需要増大をきっかけとし、新規参入するデベロッパーが増えました。
2023年の大型物件の新規供給は、2022年比で3割以上増加して、過去最高を更新する模様です。需要は堅調ですが、需要を上回るペースで供給が進み、需給バランスが崩れてしまっています。
悪立地に無理して進出して袋小路
首都圏では立地条件が限られており、新たに供給される物件は立地の劣る不便なものが目立ちます。
インフレ傾向により建築コストは上昇していますが、条件が悪いため賃料は上げられず、物流施設の運営は厳しくなっています。
その結果、2023年7月~9月期の首都圏の平均賃料は、前年同期比で0.7%安となってしまいました。
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立地条件によりまだら模様が
空室率も上昇しています。首都圏の物流施設の空室率は7年ぶりの高水準です。
首都圏の2023年7月~9月期の空室率は前年同期比3.7%増の8.9%となっています。
とりわけ空室率が高いのは、湾岸エリアの13.6%、圏央道エリアの14.3%といったところです。
湾岸エリアは新規の竣工が相次いだことが原因であり、圏央道エリアは都心部から遠く、立地条件が悪いことが原因となっています。
物流リートの逆風は続く
さて、今後の見通しはどうなのでしょうか。
物流リートホルダーとしてはつらいのですが、新規物件の大量供給は2024年も続く見込みです。
空室率はさらに上がり、賃料は下げ圧力がかかります。さらに、金利上昇の芽が出てきていますから、好材料は何ひとつとしてないような状態・・・。
しばらくは我慢の日々が続きそうな気配です。
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