かつて優秀、いまや落ち目の日本の物流。買い物難民が続出する恐れ

かつて日本は、物流先進国と呼ばれ、配達の早さ、時間の正確さを誇っていたのでした。
しかし、長引くデフレで投資ができなかったせいで、すっかり世界に遅れをとってしまったようです。
それはお隣、中国の物流と比較すれば明らかであり、日本の物流の現状は、お寒い限りといわざるを得ないのです。
恐るべき中国の物流システム
中国で年間に宅配される小包の数は1000億を超えるといいます。これは日本の20倍以上というものすごい数です。
中国は国土も広いため、さぞかし遅れもあるのかと思えばさにあらず。
内陸部の田舎であっても、ネット通販の当日配送サービスを利用できるというのです。このような優れた物流を支えているのは、自動運転車や自動倉庫などの高度な物流テクノロジーです。
ガラパゴス化した規格
一方で日本の物流動向を見ればお寒い限りなのです。
物流テクノロジーで遅れをとっているのはもちろんですが、高度な物流の前提条件すら整っておらず、環境整備が進んでいません。
日本ではメーカーごとに異なる大きさの段ボールを使っており、規格が統一化されておらず自動化の妨げになっています。
また、段ボールを載せるパレットの規格もあるにはありますが、いろいろなサイズが入り交じっており、これまた自動化の阻害要因となっています。
一応、標準サイズとして、JIS規格で1,100mm×1,100mm×144mmと定められていますが、その他に以下のサイズが入り乱れています。
1,100mm× 800mm
1,100mm× 900mm
1,300mm×1,100mm
1,400mm×1,100mm
1,200mm× 800mm
などです。
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人手不足でも低賃金
なりよりも深刻なのはトラック運転手の不足です。
なぜ不足するかといえば、給与水準が低いからにほかなりません。
日本のトラック運転手の年収は400万〜500万円程度といわれています。常に交通事故のリスクに晒されている割に低い報酬であるといわざるを得ません。
これでは好き好んでトラックドライバーになろうという人は少ないでしょう。
厚生労働省の令和2年のデータによれば、全産業の就労者の平均年齢が43.2歳なのに対して、中・小型トラックの運転手は46.4歳、大型トラックの運転手に至っては49.4歳となっており、かなり高齢化が進んでいることがわかります。
海外でもトラックドライバーは不足しているわけですが、不足すれば惜しみなく高い給与を出して人を募るのに、経済が停滞している日本ではそれができません。
アメリカの小売り大手ウォルマートなどは、入社1年目のトラック運転手に最大約1600万円の給与を支払うというのですから日本とは環境が違いすぎます。
最後に
地方都市ではマイカーがなくては移動がままならないわけですが、高齢になれば自動車の運転もできなくなってきます。
通販などが頼りになるわけですが、物流網が整備されていなければ、買い物難民になってしまいます。
買い物難民を大量に生み出さないよう、日本においても物流の自動化、省力化は待ったなしの課題だといえます。
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