米失業率から景気後退を判定。サームの法則とは?そして現状は・・・

ビル

世の中には法則ってものがあふれています。

純粋な法則もあれば、単に過去の経験則から導き出された法則らしきものを法則と呼んでいる場合もあります。後者の代表例がムーアの法則でしょう。半導体の性能は24か月で2倍になるといったものです。

過去の経験から導いただけなのですが、不思議とその法則どおりに事が進むのですから興味深い。

ところで、アメリカの失業率の動向から景気後退を予測できるといわれているのが「サームの法則」です。サームの法則によるとアメリカは景気後退直前だというのですが・・・。






米失業率の動向


サームの法則の言い出しっぺは、経済学者でFRBのエコノミストを務めたこともあるクローディア・サーム氏です。

サームの法則とは、直近3か月の平均失業率を過去1年でもっとも低かった失業率で引いた数が0.5を上回ると景気後退入りと判断できるというものです。

では、最近の米失業率の動向はどんな感じなのでしょうか。

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2023年の夏場から若干失業率がアップしています。

サームの法則、発動近し!?


直近の失業率が上昇し、過去1年は低失業率であったため、「直近3か月の平均失業率-過去1年でもっとも低かった失業率」の数値が大きくなっています。

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2023年10月時点で0.4%にまで上昇しており、サームの法則の発動寸前といったところです。

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失業率4%ラインが攻防戦


来月(2023年11月)の数値によってどうなるのかが気になります。

もし4%に上昇すると、平均が3.9%となり、過去1年の最低は3.4%で変わらないため、その差は0.5%。

サームの法則が適用されることになります。

景気後退と判断される可能性が出てくるわけです。

実際のところ、ここ最近、低中所得層は何を買うか慎重に選ぶようになり、買い控えの動きも出ているという見方があり、景気後退の動きと見ることもできるでしょう。

サームの法則の提唱者による見方


もっとも、サームの法則の提唱者であるご本人によれば、季節性などを調整した正式な数値は0.33%であるとしています。

また、加えてサームの法則は景気後退を予測するものではなく、あくまで事後的に景気後退を判定するものだとも強調したとのことです。

この辺りは元FRBのエコノミストということもあり、自分が生み出した法則が人々の心理を悪化させないように考慮しているものと考えられます。

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