SBI証券の株式売買手数料無料化で楽天証券の上場が先延ばしへ

株価ボード

SBI証券が日本株の売買手数料の無料化を打ち出したのは想定の範囲内でしたが、間髪入れずに楽天証券がこれに追随したのは想定外でした。

証券口座数は2023年3月末時点でSBI証券が約1000万、楽天証券が約900万とほぼ互角の勝負を繰り広げており、3位以下のネット証券を大きく引き離して2強がしのぎを削っています。

ところで、楽天グループの業績が楽天モバイルの巨額投資の影響で赤字続きなのはご存じのとおりです。

この分ですと楽天グループの5期連続赤字はまず間違いなく、その一方で2024年から2025年にかけて、8000億円もの社債償還を控えています。

楽天グループは楽天証券を傘下に持つ楽天証券ホールディングスを上場させることで、1000億規模の資金調達を行い、グループの資金繰り好転を考えていたところ、楽天証券の日本株売買手数料無料化の影響で上場に待ったがかかってしまいました。

それでも社債の償還は待ってくれません。楽天グループが次に取った手は・・・。






楽天証券HD、なぜ上場が白紙に?


楽天証券HDは2023年にも上場すべく準備を進めてきたわけですが、日本株手数料の無料化を10月に始めたことからその上場がとん挫することとなりました。

なぜでしょうか。

楽天証券の営業収益のうち、日本株の売買手数料が占める比率は約2割弱となっています。

そして無料化の影響は2023年10月以降に顕在化してきます。株式売買手数料の全面無料化は前例もなく、投資家サイドとしても慎重にならざるを得ません。

そのため、2023年中あるいは2024年早々の株式上場をあきらめたというのが実態のようです。

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上場の代わりにみずほが助け舟


とはいえ、楽天グループの社債の償還は待ってはくれません。なんとか資金調達をしたいという楽天サイドが取った策は、みずほフィナンシャルグループによる楽天証券への出資受け入れです。

みずほFGは現状でも約2割の出資をしているわけですが、これをさらに積み増して、持株比率を49%にまで上げる目算です。

これにより、楽天グループが受け入れる金額は約900億円となり、上場での資金調達と同程度の資金調達が可能となりました。

楽天証券の株式は楽天証券HDが51%保有することとなり、かろうじてではありますが、引き続き子会社であり続けます。

楽天証券HDは東証への上場申請をいったん取り下げました。

ただ、上場をあきらめたわけではありません。株式売買手数料無料化の影響を見極めつつ、再度チャンスを窺うということになるのでしょう。

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