上場企業の四半期開示の2度手間が解消。そして岸田首相の最後っ屁に期待

かねてから指摘されていた四半期開示の2度手間問題にようやく終止符が打たれることになりそうです。
上場企業は、証券取引所から四半期ごとに決算短信の作成が義務付けられ、一方で金融商品取引法により四半期報告書の作成も義務付けられていました。
この二重負担がいよいよ無くなることになりそうです。
上場企業の財務担当者は泣いて?喜んでいるのではないでしょうか。
事実上の二重負担
決算短信は、1999年から取引所の規則で作成が求められるようになったわけですが、その後の金融商品取引法の制定により、今度は法律に基づく四半期報告書の作成がさらに求められることになりました。
決算短信は速報性が重視されているのに対し、四半期報告書はより詳細な内容が求められています。
しかし、実際のところ内容は重複する点が多く、提出の時期も多少違う程度で、企業側としては同じような報告を2つ作らねばならないという二度手間を余儀なくされているのが実態です。
単純に2分の1にはならない
四半期開示の見直しは、岸田首相がめがね、いや目玉政策に位置づけていたものです。
今後、金融商品取引法を一部改正し、上場企業に提出を義務付けている四半期報告書を廃止して、東証の規則に基づく短信に一本化する方向です。
新たな開示制度は、3月決算の企業の場合ですと、2024年4~6月期(第1四半期)から導入される見通しです。
ただし、単純に負担が2分の1になるというわけでもありません。
東京証券取引所は決算短信の内容を拡充するよう求めており、新たに事業別収益やキャッシュフローに関する情報の開示を義務付けるということです。
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四半期開示を任意と案も
そもそも四半期開示は近視眼的な企業経営を助長しているという批判があります。
あまりに短期的な収益を重視し、長期的な視野に立った経営が軽視されるということです。
今回の改正においても、四半期開示を将来的に企業の任意にする案が浮上していたといいます。
しかしながら、企業の開示が後退してしまったという印象を与えかねないため、今回の案に落ち着いたということです。
確かに開示制度が激変すると、海外の投資家からそっぽを向かれかねません。企業の負担と投資家の要望のバランスを取ったといったところでしょう。
岸田首相のビックリ予想
ところで、四半期開示の見直しは岸田政権の目玉だということですが、下がりに下がった支持率を上げるだけの力などは到底なく、焼石に水ではあります。
政権は末期症状の様相を呈しており、もはや次は誰だという段階に達しています。
国民から見放されるわ、味方であったはずの頼みの財務省にも突き放されるわで四面楚歌状態です。
岸田首相が大逆転ホームランを打つには、国民の6割が求めている消費減税あるいは廃止を打ち出すほかないというのが個人的見解です。
どの道、財務省との仲は険悪になるばかりでしょうから、支持率アップのためには国民を味方につけるほかない。そして、財務省とは敵対的な対決姿勢を示せばよい。そうすれば支持率は急回復することでしょう。
郵政民営化一本やりで支持を得た小泉純一郎に学べと言いたいところです。
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