アメリカで高齢者の自殺が増加中。その原因は何か

老人

アメリカで自殺者の数が増えているといいます。

とりわけ増えているのが高齢者の自殺です。

その背景に隠されている要因はいったい何なのでしょうか。それは日本にも当てはまることなのでしょうか。

気になるところです。






アメリカ=陽気な国ではなかった!?


アメリカにおける2022年の自殺者数は4万9449人で2021年比で3%増え、1941年の調査開始以来で最多となったということです。

特に75歳以上の男性の自殺者数が際立って増えてなっており、また働き盛り世代の女性も増加傾向にあります。

アメリカは銃社会であるため、他殺が多いというイメージがありますが、実際には他殺よりも自殺のほうが多くなっています。

世界的に見ても、自殺のほうが他殺よりも多いようであり、例外的なのは、アフリカ、熱帯アジア、中南米といったところです。要は、治安が悪い地域だといえるでしょう。

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(出所:社会実情データ図録)

それにしてもアメリカでは今いったい何が起きているのでしょうか。

日本とは状況が全く違う


失業率が増えると自殺者が増えることは、日本の例を見ればわかります。

デフレ初期の1998年あたりから、最悪期を脱する2012年あたりまで、日本の自殺者は3万人の大台を突破していました。

その間、モノの値段は下がり続け、失業率は高止まりしていたのはご存じのとおりです。

しかし、今のアメリカはデフレでもなく、失業率も低いのです。

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(出所:世界経済のネタ帳)

どうにも的外れな指摘


アメリカの自殺増加について、いろいろな説が唱えられています。

ある精神医学の専門家は、ソーシャルメディアの過剰な広がりが自殺リスクを押し上げているとし、近年には、具体的にスマホ利用と不眠症やうつ病、睡眠障害との相関性を証明した研究もあると指摘しています。

また、若者の宗教離れを指摘し、宗教による精神の救済がないことが自殺率増加に結びついているという人もいれば、競争社会の激化が原因と指摘する人もいます。

しかし、高齢者がスマホ中毒になる可能性は低いと思えますし、宗教離れが原因ならば、若い世代の自殺が増えると考えるのが普通でしょう。

競争社会の激化が原因であれば、現役世代の自殺が増えるのが通常でしょうが、リタイア世代の自殺が増えているのです。これまたおかしい。

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銃という安易な誘発装置


ところで、アメリカは銃社会であるがゆえに、自殺の約半分は銃によるものです。

世帯の約半分が銃を保有しているのがアメリカ社会です。

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(出所:社会実情データ図録)

一方、日本は銃は普通、所有していないので、自殺手段の半数以上は首吊りとなっています。

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(出所:社会実情データ図録)

自殺のハードルは、首吊りよりも銃のほうが低いと思えますので、日本で銃が蔓延していたら、日本人の自殺者は相当な数にのぼると想像します。

ただでさえ、日本人の自殺率はアメリカよりもずっと高いのです。

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(出所:社会実情データ図録)

高齢者は社会的孤児となりつつある


アメリカで高齢者の自殺が増えているのは、物価の高騰が原因ではないかと思います。

現役世代は、物価の上昇とともに賃金も上昇するので、痛みを感じることは少ないでしょう。

年金給付は、物価の変動に合わせて調整されていきますが、タイムラグもあり、なかなか実態経済に追い付いていきません。

そして将来を悲観して自殺する。そんな人が増えているのではないかと推測します。

日本でも同じことが今後起きる可能性は高い。世代間の対立により、高齢者=邪魔者の構図ができつつあり、高齢者の負担を上げることは善であると考える人が増えているように思えてならないからです。

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