Jリート市場で自己投資口買いが増えている理由

倉庫

自社株買いならぬ自己投資口買いの動きがJリート市場に出てきているといいます。

自社株買いが株価高騰の要因となることが多いのと同様、Jリート市場でも自己投資口買いは投資口価格に好影響を与えることが多いようです。

このような動きは昨今見られませんでした。今、Jリート市場にどんな変化が起きているのでしょうか。






Jリートは増資で価格が上がるのが一般的


とある物流リート銘柄が2023年6月に公募増資を発表しました。

リートの増資は物件の取得という明確な目的のために行われるのが通常のため、何に投資するのかよくわからないままに行われる株式の増資と違い、希薄化が懸念されることは少なく、むしろ買い材料となることが多かったといえます。

株の場合は増資により、ROEが低下することが多く、売り材料となることが多いのとは対象的です。ところが、6月に増資を発表した物流リートは発表したとたんに投資口価格が下落に転じたのです。

いったいどうしたというのでしょうか。

期待リターンと実際のリターン


どうやら、この動きは昨今の金利の動向と不動産市場の動向の2つが密接に絡んでいるようです。

2023年に入り、「金利」が復活してきました。長期国債10年ものの利回りは、0.7%近くまで上昇しています。当然、Jリートに求める投資家の期待リターンも高くなります。

複雑な計算はさておき、物流リートでは、期待リターンは4%ほどと見られています。

一方で、不動産価格は上昇しているにもかかわらす賃料は伸び悩んでおり、物流リートの実際のリターンは下がっています。

これまた複雑な計算はさておき、実際のリターンは3.8%ほどと見られます。

公募増資で投資口価格が下がる。するといったいどうなるのか。

Jリートに投資しても、投資家の期待リターンを下回る利回りしか得られないため、投資口価格を下げることで調整するほかなくなるということです。

公募増資で金を集めれば集めるほど、投資口価格が下がるというなんとも皮肉な結果となってしまいます。

ではJリート運営サイドとしては、どうしたらよいのでしょうか。


不動産投資の「収益計算」本格入門 不動産投資専門税理士が教える [ 稲垣浩之 ]

価格:2035円
(2023/12/8 21:22時点)



自己投資口買いで資本効率アップ


自社株買いと同様に、自己投資口買いが盛んになるということです。

過剰に膨らんだ資産を縮小し、NAV倍率を上げ、1口当たりの分配金を増やすことで、リートの価値を上げる政策が投資家の目にも合理的だと映るでしょう。

実際問題、前述の物流リートは10月に開かれた決算説明会で、自己投資口買いの方針を説明したところ、投資口価格はにわかに上昇し、公募増資前の価格に戻りました。

具体的には、保有する物件の一部を売却して資金を作り、自己投資口を市場で買い付けるという手法です。

有望な投資先が見当たらない不動産セクターであれば、自己投資口買いは投資家の利益にかないます。

やみくもな拡大戦略をとるよりも合理的だと思われます。

関連記事


2024年のJリート投資、オフィス型と総合型の復活に期待
物流リート行って来い。そして当面好材料は見込めず・・・
不動産株は好調なのにJリートは低迷。いったいなぜ?
不動産投資信託(不動産種類ごとの特徴)

↓↓応援クリックお願いします↓↓

にほんブログ村

プロが教える株式投資の基礎知識新常識 [ 林 知之 ]

価格:1650円
(2023/12/8 21:26時点)






関連記事

コメント

非公開コメント