日本は本当にデフレから脱却したのか?今の日本経済はスタグフレーション

迷路

昨今、物価は上昇基調にあり、もはやデフレではないという声も聞こえます。

しかし、そもそもデフレの定義が何かはっきりしていないと判断を誤ることにつながりかねません。

現在の経済状況は本当にデフレから脱却したといえるのか?考えてみることにします。






デフレとはなんなのか


デフレの正しい意味はなんなのでしょうか。

さまざまな情報からまとめてみると、

「物価が下がり続けて、お金の価値が上がり続けること。不況下でモノやサービスに対する需要が減少し、供給を下回ることで発生する。」

といった感じにまとめることができます。

逆にインフレは、

「物価が上がり続けて、お金の価値が下がり続けること。好況下でモノ・サービスに対する需要が増加し、供給を上回ることで発生する。」

となります。

今がインフレだとしたら、上記のインフレの定義からは違和感を感じざるを得ません。

なぜなら、物価は上がっているものの、需給ギャップは依然として需要がマイナスであるからです。

脱デフレを判断する4指標


政府は脱デフレに向けて

①消費者物価指数
②総合的な物価動向を示す国内総生産(GDP)デフレーター
③企業が一定のモノを作るのに必要な単位労働コスト
④供給と需要の差を示す需給ギャップ


の4つの指標を重視しているといいます。

一つずつ見てみましょう。

①消費者物価指数

20240209CPI.png
(出所:世界経済のネタ帳)

2022年から物価が上昇に転じていることがわかります。

違和感があるデータ


②総合的な物価動向を示す国内総生産(GDP)デフレーター

名目GDP ÷実質GDP×100 で表されるGDPデフレーターも2023年から物価の上昇の影響を受け、100を大きく上回ると見られます。

20240210GDP.png
(出所:世界経済のネタ帳)

③企業が一定のモノを作るのに必要な単位労働コスト

単位労働コストとは、企業がある製品を一定量作るのに必要とする労働経費(賃金)のことをいいます。

こちらの推移は以下のようになっています。

20240209cost.jpg
(出所:公益財団法人 日本生産性本部)

物価が上がっているのにほとんど横ばいで伸びていません。要するに労働者の賃金が物価の上昇に追い付いていないということです。

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需要不足下の物価上昇


④供給と需要の差を示す需給ギャップ

20240209gap.jpg
(出所:日本銀行)

物価が上がっているのだから、当然、需要が供給よりも多くなっているかと思えば、そうではなく依然として需要が足りない状況であることがわかります。

にもかかわらず物価が上昇しているのは、単に海外からの輸入品が高くなっているからだといえるでしょう。

デフレからスタグフレーションへ


日本は、株価こそ堅調なものの、経済成長率は依然として低く、景気はよくなっていません。

にもかかわらず物価が上昇している状態は、いわゆるスタグフレーションであるといえます。

スタグフレーションとは、景気が後退しているにも関わらずインフレが進行してしまう現象をいいます。

通常、景気後退によって需要が落ち込めばデフレとなりますが、原油価格の高騰など原材料などの価格上昇などにより、不景気なのに物価は上昇してしまうということがあります。

1970年代のオイルショックがまさに当てはまるわけですが、現状もそれと同じだといえるでしょう。

現在の日本はデフレから脱却したというよりは、デフレからスタグフレーションに突入したというのが正確だろうと思います。

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