顧客をカモとしか考えていない金融機関の行動原理。外貨建保険の闇

鷲

金融機関ってのは、顧客本位などと口ではもっともらしいことを言いながら、実のところは自分本位で顧客の利益などそっちのけというのが概ねのところです。

ひと頃前、仕組債がとんでもない詐欺的商品であるとしてやり玉に挙がり、多くの金融機関がその販売を取り止めたのは記憶に新しいところですが、それも金融庁による外圧によるもので、自浄作用などはありません。

そしてハイエナどもは次のワナを仕掛けて獲物を探し出す。

そして、次なるワナは外貨建ての一時払保険というわけです。金融機関はこの外貨建て保険を巧みに利用し、顧客から手数料をいう”血”をチューチューとまるで吸血鬼のように吸い上げています。

とりわけその罠にかかるのは、お人好しで金をたくさん持っている高齢者というのがお決まりのパターンです。

金融機関のやっていることは、合法と非合法の狭間のグレーゾーンをうごめく金融詐欺まがいとしか言いようがありません。






金融庁の外圧で仕組債は死に体に


トンデモ金融商品として一時やり玉に挙げられたのが”仕組債”。その問題点は多く、金融当局も我慢がならなくなって、多くの金融機関は当局に恐れをなし販売を中止したのでした。

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顧客をカモにできる商品が無くなり、金融機関は別の商品に活路を見出そうとする。そしてその切り札が外貨建て一時払い保険商品だったというわけです。

外貨建保険を利用した詐欺的手法


しかし、この外貨建て一時払保険も既に問題視されてきたのは事実であり、そのたびに付け焼刃の対応はなされてきました。

しかし所詮はつけ焼き刃、本質的な改善がなされることはなく、詐欺的販売手法の根本的治癒にはいたっていません。

いや、昨今の円安基調により、その阿漕さぶりはさらに加速しているといってよいでしょう。

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そのカモは高齢者というのがお決まりのパターン


さて、2022年以降の円安でいったい何が起きているのか?

日本は相変わらず低金利で生命保険の予定利率も低迷したままです。そこで保険会社や金融機関が目をつけたのが外貨で運用する保険です。

その通貨は主に米ドルと豪ドルといったところ。

為替リスクや金利変動リスク(例えば米国債の金利が上昇すれば債券価格が下落し損を被る)などの説明はそこそこに、高い利率だけをことさら強調して販売推進するのが彼らの手法であると思われます。

高齢者は一般的に思考力が低下しているのが普通でしょうから、難しくて馴染のない金利変動リスクなどは多くの場合理解できないでしょう。

そんなことは金融機関にとってはお構いなしです。ありきたりの説明をしておけばアリバイ作りは完了といったところでしょう。

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顧客は生かさず殺さず利用する


そして、多くの場合、円換算したときにある程度の利益が出れば外貨建ての保険から円建ての保険に自動的に切り替わるといった目標設定がなされます。

これが金融機関の狙いでもあるのです。

円建てに切り替わった途端、円金利は低くて面白くないから、また外貨建ての保険はどうですか?などとお人好しの高齢者にセールスがかかるのです。

多少は儲かってはいるし、もともとお人好しなので金融機関の下心などに気付くことはないのが常でしょう。

その心は・・・。高い手数料にほかなりません。

外貨建ての保険を金融機関が顧客に販売すれば、だいたい5%から10%近くもの手数料が金融機関に入ってきます。

この手数料は保険会社の付加保険料から払われているわけですが、保険会社は金融機関にそれだけ払っても儲かるだけの付加保険料をもらっているのですから10%程度は顧客が払った保険料から抜いているものと推測します。

これだけ抜かれては、顧客の儲けはほんの一部しか還元されていないというのが実態であろうと考えられます。

保険本来の趣旨を逸脱した騙し商品


本来であれば持ち続ければよいものをあえて目標設定させて、解約に持ち込み、再び手数料をむしり取る。これは、仕組債で使われたスキームとなんら変わりません。

その結果、外貨建て一時払い保険の平均運用継続期間はたった2.5年にとどまっており、購入後4年以内に約6割が解約となるという異常な状態が続いています。

そして、短期間に解約すれば、さらに解約控除などという罰金めいたものの支払いが強制される商品も数多く、顧客はまさに往復ビンタを食らっているのですが、お人好しであるためにそれすれに気付いていないケースが多いのでしょう。もはや哀れですらあります。

高い手数料、解約控除などによって、運用利回りはベンチマークとなる先進国債券の投資信託を下回っているのが事態であり、経済合理性からはとても合理的とはいえませんが、金融機関と一般の消費者ではあまりに情報の非対称性が大きく、消費者は騙されていても気がつきません。

そしてまた新たな付け焼刃が


金融庁の疑念を受け、生命保険協会は2024年4月3日に「市場リスクを有する生命保険の募集等に関するガイドライン」を改正しました。

そこには以下の内容が追記されています。

契約時に目標値(ターゲット)が定まっている契約についてフォローアップする場合の留意事項

契約時に目標値(ターゲット)が定まっており、目標値に到達すると、その成果を自動的に確保する保険においては、目標値の到達によって運用が停止されることにより将来利益の逸失が生じる可能性があることや、また、目標値に到達・解約した後、改めて目標値を設定した保険契約に加入する場合、顧客において、一般的には目標値変更以上のコストが生じることに鑑み、顧客の最善利益を追求する観点から、目標値到達前に、目標値の変更要否等についてフォローアップを行うことが重要である。なお、生命保険会社においては、代理店等の生命保険募集人が適切にフォローアップするため必要な情報として、目標値が設定されている契約の一覧等を提供することが望ましい。


まさにお茶を濁す程度の内容であり、根本的な改善策とはとても言い難い。こんなことで問題が解決するとはとても思えないのです。

金融機関が外貨建ての保険をあなたに勧めてきたのならば、あなたは金融機関にカモだと思われている可能性が極めて高いと肝に銘じなければなりません。

ましてやあなたが高齢者で人当たりがよく、利益目標設定を勧められ、しかもそのパーセンテージが105%などという極めて低い数字であれば、カモとみなされていると考えて間違いないでしょう。

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