過度の円安でも為替介入をしない理由。日銀と財務省の相思相愛

虫メガネ

円安が進み、さすがに行き過ぎでは?と政府も介入はしています。

とはいえ単なる口先介入であり、「注視」するという言葉がやたら連発されているのであります。口先だけにその効果はほとんどなく、実際の為替介入は行われず放置プレーが続いているわけです。

急激に円安が進む中、政府が為替介入を行わないのはいったいなぜなのでしょうか?

がんで闘病中の経済評論家、森永卓郎さんが実に興味深い指摘をしていました。






増税への貢献度が出世を決める


財務省の人事評価に大きな影響を与えるのは、増税に貢献したか?です。

財務省では増税を「勝ち」、減税を「負け」と呼んでいるとのことで、増税=善(あくまで財務省ムラ内だけの)論理がまかり通っています。

出世するためには増税に貢献しなければならない。しかし、それは自然増収では評価にならないのです。あくまで努力?による増税でなければ評価の対象にはなりません。

タバコの増税が幾度となく繰り返されています。

増税のたびに喫煙者は減るため、税率をアップしても税収は増えないにもかかわらずです。しかし、税率を上げることは「勝ち」となり、出世の役に立つので、増税が繰り返されるわけです。

なにしろ健康のためという錦の御旗があるのでやりやすい。そして、喫煙者は財務役人の出世のための犠牲になっているわけです。

日本銀行の行動原理


日本銀行にも「勝ち」「負け」の論理があるというのです。

その論理は、利上げ=勝ち、利下げ=負け、です。

どうしてそんな論理が出来上がったのかはおおよその想像がつくのです。

中央銀行は「インフレファイター」などと呼ばれるように、インフレ抑制に大きな使命感を感じています。

この傾向は、第二次世界大戦で惨敗して焼け野原となり、極度のインフレに悩まされたドイツや日本で顕著に見られます。

この論理が、現下の円安に大きな影響力を与えているというのです。

日本銀行と財務省の相思相愛


日本銀行総裁が黒田氏から植田氏に代わり、日本銀行は財務省にすり寄る傾向が強くなっています。

そして、財務省は増税をしたいだけであり、日本銀行は利上げをしたいだけなのですが、この点において両者の利害は一致するのです。

政府、日銀がこれだけ円安になっても為替介入を行わないのは、円安を利上げの口実としたいからだと森永さんは指摘します。

また、日本は外貨準備と日銀積立金の外貨が約300兆円あるのですが、円安で為替差益が100兆円ほどで出ており、為替介入をしてドル売り円買いをすれば、評価益という埋蔵金が現金化されてしまいます。

そんな埋蔵金が発掘されたら増税ができなくなってしまうので、財務省にとっては不都合な真実なのです。為替介入をしないことは財務省の利益でもあるというわけです。

今や、日本銀行は財務省の増税路線に肩入れをしていると見られるのです。

書いてはいけない [ 森永 卓郎 ]

価格:1650円
(2024/4/20 16:17時点)



敷かれた利上げ路線と増税路線


余談ですが、日本銀行は2024年3月に利上げを打ち出しましたが、本当は1月には発表したかったようです。

正月に能登半島地震が起きたため、さすがに自粛したのでした。

1月の利上げに向けてマスコミ各社に情報をリークしており、それが延期されたため、マスコミは情報を十分に咀嚼する時間があり、4月の利上げ発表前には詳細な利上げのスキームが発表できたというわけです。

株価が上がったからといって日本経済が良くなったとは限りません。

日経平均は日本を代表する225の会社が全世界でどれだけ稼ぎ、それを外国人を中心とする投資家が人気投票しているだけであり、日本人の生活感とは直結しない。

安倍さんという重しが無くなった今、財務省は日銀と結託し、増税路線をひた走っています。財務省こそが日本の足を引っ張る一番の病根に違いありません。

関連記事


健全化が進む日本の財政。それなのに真逆の説を唱える財務省
日本は本当にデフレから脱却したのか?今の日本経済はスタグフレーション
経済運営の巧拙は自殺者の数を見れば歴然とわかる
これで少子化が止まるはずがない。財政制度等審議会という名の役立たず
円買い介入は制限有り、円売り介入は無制限。これからわかること
日本は円安になっても良い理由。生産能力から考える

↓↓応援クリックお願いします↓↓

にほんブログ村



ザイム真理教 [ 森永 卓郎 ]

価格:1540円
(2024/4/20 16:17時点)


関連記事

コメント

非公開コメント