株価が高いのになぜ自社株を爆買いするのか。自社株買いの不思議

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2023年度、上場企業の自社株買いが過去最高となった模様です。

その額おおよそ10兆円。

上場企業が抱える現預金は約100兆円であり、その10分の1が自社株買いに向かったということです。

それにしても不思議なのは、株っていうのは安いときに買うもんではないか?という点です。それは自社株買いでも同じことでしょう。

2023年、株価は大きく上昇したのになぜ多くの企業が自社株買いをしたのでしょうか。






不合理な自社株買いなのか?


自社株買いっていうのは総じて、株価が低迷したときに行うものだと思っておりました。

そのほうが少ない資金で多くの株数を買い付けられますし、自社の株が割安であるので魅力的だという市場に対するメッセージにもなります。

そう考えると2023年は株価が大きく上昇したわけですから、自社株買いなどしないほうがよいのではないかと考えてしまうのです。

いったいどうなっているのか?

3つの視点から考えてみました。

本当に2023年は株高だったのか?


まず1点目、そもそもホントに2023年は株高だったのか?ということです。

以下は東証全体の株価を反映しているといえるTOPIXの動きです。

20240427topix.jpg

確かに右肩上がりで強い動きです。そして、その中でも規模の大きな企業が集まっているプライム指数も同じような動きとなっています。

20240427pri.jpg

しかし、中小型の成長株が集まるグロース指数を見ると、同じ株価指数の動きとは思えないほど上がっていません。

20240427gro.jpg

要するに上がったのは規模の大きな会社の株価であり、中小型株は蚊帳の外であったといことです。

これら中小型の企業にとっては、自社株買いを割安な株価で行えたということになるのでしょう。

半ば半強制的な自社株買い


2点目として、プライムとグロースの中間ともいえるスタンダード指数の動きはどうなっていたのかに着目しました。

予想ではグロースに近い動きになっているのではと思ったのですが、実際にはプライムをも上回るような株価推移となっています。これはいったいどうしてでしょうか。

20240427sta.jpg

これは東証のPBR改革の影響ではないかと考えます。

それまで割安に放置されていた中堅企業に、PBR改革による株価上昇のプレッシャーがかかったのではないか。

PBRを上げるためになりふり構わぬ自社株買いが進められたのではないかと推測するのです。

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株価上昇=割高ではない点に注意が必要


3点目として、株価は上昇したが、本質的な価値に対して割高となったのか?という点に注意が必要だと思います。

上場企業の2024年3月期の純利益は3年連続で過去最高を更新することは確実です。

前年同期比で1割以上の増益となる見込みであり、上場企業の稼ぐ力は確実にアップしています。

だからして、株価が上昇したからといって、株価が割高となったとは限らない点に留意する必要があるのではないでしょうか。

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