マンモス日本生命、ネット販売に舵を切る。そこには深刻な理由が・・・

サーバー

金融っていうのは、デジタルデータの行き来であり、実物が行き来する物販業に比べてインターネットでの販売にマッチしているといえます。

物販の場合は輸送という手間やコストがかかりますが、金融ではそれがありません。

現に、個人の株式取引などはすでに約9割がネット経由で行われています。しかし、同じ金融でもネットの活用が遅れている業態があります。

それは保険、中でも生命保険業界でその傾向は顕著です。しかし、時代の趨勢がその大きな壁をもぶち破ろうとしています。

業界の最大手、日本生命がデジタル化に大きく舵を取ろうとしているのです。






保険とネット販売は相性悪し


生命保険販売におけるデジタル化は思うように進みません。

ネット経由の申込は全体の3.8%にとどまっており、販売経路としてもっとも大きいのは、従来同様、営業職員経由(46.4%)となっています。

保険の中でも損保は比較的、ネット経由での申込が多いわけですが、それでもその割合は1割程度と知れたものです。

ネット生保の草分けといえば、ライフネット生命。鳴り物入りで業界に参入し、その後、上場を果たしましたが今株価はどうなっているのか。気になったので調べてみました。

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2020年春から急激な株価上昇が見られます。

これは明らかに新型コロナの流行と関係がありそうです。

コロナ禍で対面型の従来生保が顧客と接触しづらくなる中、ネット生保の販売が伸びると期待されたのではないかと思われます。

ライフネット生命、ようやく黒字化へ


コロナ禍の沈静とともに、株価も下落したわけですが、その後、再び上昇に転じています。

株式市場全体の活性化という面もあろうかとは思いますが、最大の原因は、ライフネット生命が2024年3月期決算で、初めて最終黒字になる見込みだからだと考えられます。

会社設立後、約18年そして上場後約12年を経てようやく黒字化する目処が立ったわけですが、いかに生命保険のネット販売がマイナーな存在であったかがわかろうというものです。

それなのになぜ、業界最大手の日本生命がデジタル化に舵を切るのでしょうか。

若年層が生保に加入しない理由


思うに若年層の生命保険加入率が下落しているのが原因ではないかと考えます。

20代の生保加入率は他の世代に比べて低くなっています。

これは2つの要因によるものだと思います。

1つは、若年層はネットなどで情報を賢く集めることができるとともに、お金の面でシビアでもあります。保険のおばちゃんに勧められて言うがままに加入するなんて愚かな真似はしないのが普通でしょう。

2つめとして、企業が個人情報など情報セキュリティに関する管理を厳格化しているためです。

一昔前ですと保険のおばちゃんがオフィスに入り込んでいるようなケースもまま見られたわけですが、個人情報などが第三者に見られてはいけない現代では、安易にオフィスなどに立ち入ってセールスをされたら困るわけです。

というわけで、初心な若者が老獪な生保のおばちゃんから守られているという面があります。

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最後に


そんなわけで、日本生命保険グループは、生命保険のネット販売システムを開発するのだとか。

最新のIT技術を使って、初期費用を従来のシステムの数分の一に抑え、自社グループ以外にも販売する方針とのことです。

しかし、うまく行くのかどうかは甚だ疑問を感じざるを得ません。

コロナ禍で、業界大手の第一生命もデジタルツールを駆使した販売手法に力を入れたはずですが、うまくいっているという話は聞こえません。

ライフネット生命の黒字化に18年もの歳月がかかったことを考えれば、生命保険の販売経路がネット主体になるには少なくともあと10年以上の期間がかかるのではないかというのが個人的予想です。

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