ベンチャー株式への取引制度、グリーンシートの終焉

芽



2018年3月14日付日経新聞によればベンチャー企業等の株式売買の場として細々と運営されていたグリーンシートが2018年3月末をもって終了するそうです。

もともと、草の根から企業を応援し育てる目的で、1997年に始まった制度ですが、約20年で幕を閉じることになりました。その間、証券取引所へ上場した会社は15社ほどのようです。

新聞では少ないような書きぶりでしたが、もともと登録していた会社数が少ないのですから、ある一定の成果は上げられたと考えてもよいのではないでしょうか。

東証2部のマルマエ(6264)は確かグリーンシートからの昇格銘柄だったと記憶しております。その一方で、業績不振により登録が解除された銘柄も相当数あったと思います。

アメリカにおいてはピンクシートなどと呼ばれる店頭市場に1万社もの会社が登録されているようですが、グリーンシートでは、最盛期でも100社ほどでした。

グリーンシートが投資家にとって魅力的ではなかった要因はいくつか考えられますが、私見を述べたいと思います。

あまりに流動性が低いこと

取り扱っている証券会社が数少なく、一般投資家への認知度は皆無に近かったと思います。(東洋証券と松井証券くらいしか思い出せません。)

買いたくてもなかなか買えない。それはまだいいとして、売りたくても売れないのでは話になりません。値がつかないので一体いくらくらいが妥当なのかもよくわかりませんでした。

証券会社の興味が薄かったこと

上記とダブりますが、登録幹事証券はほとんどディー・ブレイン証券のみだったと思います。儲からないビジネスなので、大手証券会社は手を出したがらず、結果的に競争原理が働かず、登録審査の質や市場規模はディー・ブレイン証券の質と規模にほぼ影響されたと思います。

登録会社にとって重いコスト負担

シード段階の会社にとって、監査費用はばかにできません。大規模な監査は必要なかったと思いますが、投資家保護の観点からは一定の外部監査が必要です。そのコスト負担のデメリットと資金調達のメリットとを比較するとデメリットの方が大きかったのだと思います。

その他の新興市場が跋扈したこと

東証マザーズや名証セントレックス、大証ヘラクレス、札証アンビシャス、福証Qボードなど新興株市場が軒並み登場し、地名度や注目度で圧倒的に劣ってしまい、あえてグリーンシートを選ぶ理由はなくなりました。

残念ですが、ひとつの時代が終わったということですね。


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