行き詰まるセブン銀行のビジネスモデル


セブン銀行が2018年9月期に146億円の特別損失を計上し、最終損益も5億円の赤字になるということです。
特別損失の発生原因はアメリカのセブンイレブンへのATM設置。8千店舗に導入したとのことですが、予想の7割程度しか利用がなく、採算が取れないようです。
通期業績予想も268億円の黒字から128億円の黒字へ下方修正しています。
アメリカは日本よりも現金の使用が少ないのですから苦戦するのは目に見えていましたが、こんなに早い損失計上となるとは予想以上でした。
日本でのATM使用率が減少しており、新たな収益源を探した結果なのでしょうが、日本と同じビジネスモデルをそのままアメリカに持っていっても環境が違うのですから無理があったということでしょう。
日本もダメ、海外もダメとなると将来を見据えた新たな収益源を探す必要がありますが、ただでさえ厳しい銀行業界においてブルーオーシャンはおいそれとは見つからないでしょう。
これからローソン銀行も同じビジネスモデルで業界に参入してきます。
ローソン銀行の前途は相当厳しいと言わざるを得ません。セブン銀行の絶頂期に二番煎じをもくろんだのでしょうが、実現するころには環境が変わってきました。
セブン銀行やローソン銀行にとって唯一の救いは既存の銀行がATMを減らしていることです。
今後、現金が必要となった場合はコンビニATMで下ろすというのが当たり前になっていくのでしょう。しかし、それも縮小均衡路線の中での話となります。なにしろ現金へのニーズが減少しているのですから。
次の一手を模索できるか。成長路線の継続に暗雲が漂っています。
【関連記事】
・セブン銀行の事業報告から考えるコンビニATM
・コンビニATMの憂鬱
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