ドンキ、ユニー買収の全容と今後の展開

ドンキがユニー・ファミマからユニー株を全株取得し、100%子会社にすることは各種報道のとおりです。
しかし、資本関係を見ると話はそう単純ではなくややこしい。
ドンキはユニー株を100%取得しますが、ユニー・ファミマはドンキの株を20%取得します。買付価格は6,600円。買収発表前の株価より約10%高い情熱価格。
ドンキとユニー・ファミマの資本関係は維持され、グループ全体で売上高約4.7兆円となり、イオン、セブン&アイに次ぐ規模となります。
ところで、ユニー・ファミマは伊藤忠商事の子会社です。今回の合従連衡に伊藤忠商事の意向が働いていることは容易に想像できます。
そして、驚くことにドンキHDは、社名を変更し、パン・パシフィック・インターナショナルHDになるということです。ちなみにユニー・ファミマも社名変更するそうです。
ドンキは今後、海外展開を積極的に行っていく意向であり、その布石としての社名変更だということです。
日本でのドン・キホーテのブランド力は強力なので、店舗名としては残り続けるとは思います。
気になるのは、ユニーの看板は残すというドンキの大原社長の発言。ユニーに気を使っているのでしょうが、ユニーの業態転換が中途半端な形とならないか心配です。
海外展開についてのノウハウは当然、世界的商社である伊藤忠商事のノウハウを借りるという戦術でしょう。
ドンキファンとしては社名からドンキの名前が消えてしまうのはさみしい限りですが、ドンキイズムは残し続けてほしいし、そうでなければ衰退の道をたどることになってしまうでしょう。
ましてや、伊藤忠やユニー・ファミマから経営者が送り込まれるようなことにならないようにしてもらいたいものです。生え抜き社員によるDNAの存続を希望するところです。資本は受け入れても、心まで奪われてはいけません。
とにかく、今後の展開に目が離せません。
【関連記事】 ドン・キホーテによるユニー子会社化の影響
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