不動産株とJリートの相関関係は?(その2)

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不動産株とJリートの相関は高位の順相関で推移しているものの、ここ数年は若干の逆相関関係にあることがわかりました。

しかし、その理由まではわからずもやもやしていたので、引き続き考えていたところです。案外あっさりと答えは見えてきました。(当たっているかどうかはともかく・・・)

不動産株とJリートの相関が強かった時期は不動産株とJリートの取引参加者はほぼ同じであったと考えられます。しかし、正の相関が崩れてきたと思われる2013年春以降は取引参加者に変化があったと考えるのが妥当だろうと思います。

それでは2013年春以降のJリート市場参加者にどのような変化があったのか?2013年春といえば黒田日銀による金融の異次元緩和が始まった時期です。

そして、この異次元緩和によって金融市場に何が起こったのか?債券取引の減少です。

とりわけ、銀行や保険会社などの金融機関の売買高が著しく減りました。マイナス金利政策が導入された2016年以降は減少に拍車がかかっています。

債券の利回りと流動性の低下により、これら金融機関などの機関投資家は外国債券へと投資を活発化させました。加えてJリート市場にも債券市場で運用する予定であった資金が流れ込んできたものと推測します。

これにより、Jリートの価格は、不動産関連株の株価との相関が薄れ、むしろ金利との相関が強まったと考えることができます。

昨今の経済状況から、まだデフレからの脱却が進んだとは言い難く、今しばらくは異次元緩和の継続は続くでしょう。

したがって、Jリートの価格は株価との比較感からではなく、金利動向を見ながら行うというスタンスがまだまだ続くと考えられます。

【関連ブログ】 不動産株とJリートの相関関係は?




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